フロアブルコンポジットレジンは、粘度が低く、填入しやすく、私たちは愛着があります。しかし、充填する時によく気泡が出現し、私たちは常にその脅威に苦しめられています。
Dr. David Clark, DDS
1964年、世界で初めて歯科用コンポジットレジンが3Mから発表された時、それらは「アマルガムの代用品」と考えられていました。つまり、アマルガムを使う時と同様に、コンポジットレジンを充填するには、少しずつ填入し、圧接し、形態修正する必要があると考えていました。
世界初のフロアブルコンポジットレジンが1996年に発表されたとき1、それをどう扱えばいいのか、だれも確信がありませんでしたが、窩洞に直接充填できる材料の利点は確認出来ました。私たちがコンポジットレジンを扱う機会が増えれば増えるほど、新たなさまざまな問題に遭遇し、そして、それらを歯科医師あるいは歯科材料メーカーが技術の進歩とともに解決してきました。
今日、バイオクリア・ラーニング・センターでは、コンポジットレジン充填の欠かせない材料として位置づけられるようになったフロアブルコンポジットレジンの最新の使用方法を教えています。
これらの画像は、3M™ フィルテック™ シュープリーム ウルトラフロー コンポジットレジンを充填し、その後直ちに、3M™ フィルテック™ シュープリーム XTE コンポジットレジンが充填し、その後、一緒に光重合しています。この症例のポイントは、唇側面を強度と光沢の維持に関して優れている 3M™フィルテック™のペースト材料を充填しているところです。
隣接部のみの便宜的なアクセス窩洞は、3M™ フィルテック™ フィル アンド コアフロー で、充填します。このような部位は咬合しないため、この新しい修復物にかかる応力は比較的小さく、ペーストコンポジットレジンは不要だと考えます。
フロアブルコンポジットレジンについて臨床医が私に報告する最大の苦情は、フロアブルコンポジットレジン充填時に出現する気泡です。フロアブルコンポジットレジンの中のこれらの気泡は、極めて除去しにくい場合があります。レジンの粘度のため、気泡を「つぶす」ことが困難なことが多々あり、ときには窩洞外に引きずり出そうと試みます。
二つの模型には3M™ フィルテック™ シュープリーム ウルトラフロー コンポジットレジンが注入されています。両方の例で、複数の気泡が見られます。シェードが明るい方が(右)気泡は見にくくなります。
術後のX線写真で、根管内に2個の気泡が写っています。これは厄介で、患者に説明しづらいことです。
気泡によりコンポジットレジン表面にくぼみが残ると、くぼみに見苦しい変色が生じることがあります。
こうしたコンポジット内の小さな気泡がひどく着色してしまい、患者さんからのクレームに繋がったケースがあります。
裂溝を削って形成された1級窩洞内のこのような気泡は、ありがちな光景です。
今日われわれ歯科医師にとって、フロアブルコンポジットレジンは日々の診療に欠かせない存在となっており、その基本性能やそれを扱う歯科医の技術も日々進歩しています。その中、私は、シリンジのデザインやその操作性にも注目しています。3Mのフロアブルコンポジット用の新しいシリンジは、革新的なチップとそのデザインによって、充填の際の気泡を減少させ、プランジャーの押し出しやすさを向上させることによって歯科医の充填操作を非常に容易にしています。
1.https://pdfs.semanticscholar.org/8de5/add978297f750ce7dc83aebe3cce1a2648a0.pdf