• 日本ハム食品株式会社
    関東プラント 品質保証部
    部長 亀田幸雄氏

  • 日本ハム食品株式会社

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  • 微生物の培養検査の問題点

    食品工場では、抜き取り検査や出荷検査、環境の拭き取り検査など、様々な検査が行われています。検査結果が基準値を逸脱した場合は、出荷禁止や現場の是正・指導など、必要な対応策を速やかに実施しなければなりません。「迅速に検査結果がわかる」ということは、品質保証部門にとって極めて重要なことです。
     しかし、製品によっては、出荷検査の結果が出る前に出荷する場合もあります(例えば生鮮食肉のような、リードタイムが短い、原料や製品の在庫を持つことができない製品など)。そうした場合、出荷後に出荷検査の結果が出てきて、「菌数が自主基準値を逸脱していた」とわかる場合もあります。原料の受入れ検査も同様です。受入れ検査の結果で「基準値を逸脱している」とわかった時には、すでに原料が使用されている(使用前では菌数がわからない)という場合もあります。つまり、「原料や商品を止めるための先手を打つことができていない」という悩みがあるのです。
     そのため、品質保証部門は休日も検査のために出勤しています。関東プラントの検査室では8人で、1日200~300検体(工場稼働日)を取り扱っています。検査室の稼働日数は年間363日(12月31日と1月1日を除く)という状況です。昨今は「働き方改革」など総労働時間の短縮も求められています。何とかして検査の負担を軽減する方策が必要でした。そこで、簡便・迅速な微生物検査法として、「3M™ ペトリフィルム™ 培地」の導入を検討することにしました。
     その他にも、「製造ラインで抜き取り検査やラインの拭き取り検査、浮遊菌の検査を実施しているが、製造部門へ丁寧に指導する時間がない」「洗浄・殺菌方法を検証する時間の確保が難しい」といった悩みも抱えていました。ペトリフィルム™培地の導入が、こうした悩みの解決につながるのではないかと期待しました。


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  • 3M™ ペトリフィルム™ 培地の導入による働き方改革
    ~「人件費の削減」、「培養結果の測定作業に伴う肉体的負担の軽減」などにつながる~

    標準寒天培地を用いた一般生菌の検査では、結果判定までに48時間かかります。しかし、3M™ ペトリフィルム™ 生菌数迅速測定用プレート「RACプレート」を導入したところ、結果判定が24時間で済むようになり、以前よりも1日短縮できました。つまり、検査結果に問題(例えば基準値の逸脱)があっても、従来より1日早く結果がわかるので、(短縮された時間を)事後対応に充てることができるようになりました(図2参照)。
     菌数が非常に多い食品(例えば生の商品や原料肉など)の検査では、一般生菌数の測定に時間がかかっていました。一例を挙げると、以前は標準寒天培地(シャーレ)の測定に65分かかっていたところが、ペトリフィルム™ 培地と3M™ ペトリフィルム™ プレートリーダー(ペトリフィルム™ 培地 上のコロニーを自動的に計数する装置)を導入したことにより、測定は9分となり、56分の短縮になりました(図3参照)。ペトリフィルム™ 培地とプレートリーダーの導入以前は、コロニーの数が多いほど測定に時間がかかっていましたが(標準寒天培地1枚あたり約1~3分)、導入後はコロニー数に関係なくペトリフィルム™ 培地1枚あたり4秒程度で測定が終了します。
    加熱商品の菌数の測定は(菌叢が絞られるので)さらに容易になります。
    これらの結果、1日平均で約1時間の作業時間の短縮、年間で約35万円の人件費の削減につながりました。
     また、ペトリフィルム™ 培地は出来上がり培地なので、培地調製が不要です。そのため、緊急時(急な検査依頼があった時など)の対応がしやすくなりました。培地調製などの作業工数が減少したことは、作業時間の短縮、時間外労働の削減につながりました。その他、ペトリフィルム™ 培地の導入によって得られた効果としては、正確性の向上(誰でも簡単に測定できるので、人によるバラツキがなくなる)、測定作業に伴う肉体的な負担(眼精疲労、肩こりなど)の軽減なども挙げられます。廃棄物量の削減、滅菌作業の減少、省スペース化の実現などの効果もあらわれています。
     なお、ペトリフィルム™ 培地の導入に際しては、標準寒天培地を用いた検査との比較(培地性能の検証)を行いました。現在も標準寒天培地とペトリフィルム™ は併用しており、互いの数値を比較することで、「ペトリフィルム™ 培地の検査が正しく行われているか?」ということを確認しています。

    3M™ ペトリフィルム™ 培地の導入効果 (培養時間の短縮)
    図2 3M™ ペトリフィルム™ 培地の導入効果 (培養時間の短縮)

    ペトリフィルム™ 培地とプレートリーダーの導入効果(測定に要する時間の短縮)
    図3 ペトリフィルム™ 培地とプレートリーダーの導入効果(測定に要する時間の短縮)


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  • 「感動を与える“攻め”の品質管理」の時代へ
    ~現状を大胆に変える勇気を持つ~

     先述の通り、検査の数や頻度は増加する傾向にあります。その一方で、品質保証に投入できる資源は限られています。限られた資源を有効活用するには、管理者が(既存のシステムや、今までやってきた取り組みを)「現状を大胆に変える勇気」を持つことが求められます。
     品質保証部門における今後の課題の一つは「品質の課題を解決するための『時間』と『人財』」を作ること」であり、そのためには「新しい技術にチャレンジできる人財」を育てること」「専門家を育成する一方で、誰でも検査・判断できる体制を作ること」なども必要でしょう。「自動化」「AI化」なども、今後の品質保証体制を構築する上でキーワードになってくるでしょう。
     また、「品質保証」という言葉には、どうしても受け身のイメージがあります。しかし、これからの食品企業に求められるのは「お客様に感動を与える『攻め』の品質管理」です。「変える勇気」を持って、新しいチャレンジをすることは、将来的には働きやすい環境の実現、優秀な人材の流出阻止などにもつながっていくはずです。


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  • 働き方改革の第一歩として「限られた資源(予算・人材)で生産性を向上させる」という観点から本コラムが皆様の活動にお役立ていただけたら幸いです。

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