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低温でも増殖可能、長期保管するRTE食品では特に要注意!

――はじめにリステリア食中毒のリスクについて教えてください。

 リステリア属菌は代表的な6菌種に加えて2010年以降新菌種が追加され、2018年現在では20菌種が報告されています。これらの中で、リステリア症患者から分離される菌種はほとんどがLMです。LMは日和見感染する菌で、健康な人が摂取してもほとんど問題になりませんが、易感染性宿主(いかんせんせい・しゅくしゅ)と呼ばれる免疫機能の低下した人たち(高齢者、ガン患者、糖尿病患者、エイズ患者、ステロイド投薬者など)では敗血症や髄膜炎など重篤な症状を引き起こすことがあります。しかも、発症した際の致死率は20%~25%といわれています。妊婦が発症した場合には、胎盤に感染して死産や流産のリスクがあることも指摘されています。
 日本ではリステリア感染症の患者数は年間200人と推定されています。リステリア感染症の原因は99%が食品媒介性といわれていますが、食品を摂取してから発症に至るまでの潜伏期間が長いので、原因食品の特定が難しいのが現実です。  また、細菌性髄膜炎として届出される患者のうち、一定の割合でLMが原因の方もいると推測されますが、「細菌性髄膜炎のうちのどれくらいがリステリア感染症なのか?」という実態の把握ができていないという現実もあります。

――日本では年間200人ほどのリステリア感染症の患者数が推定されるのに、食中毒の報告がないようにみえるのはなぜですか?

 厚生労働省の食中毒統計としては報告されていませんが、厚生労働科学研究で食品媒介のリステリア感染症として2001年に国産のナチュラルチーズが原因食品とされた集団事例が1例報告されています(国際的な科学雑誌に掲載されている事例)。先に述べたとおり、発症までの潜伏期間が長く、患者調査から原因食品を推定することが困難なことも原因の一つです。
 ただし、市販の食品などを調査すると、日本も海外も食品のLM汚染状況に大きな違いはありません。日本でも食品が媒介するリステリア症が起きる可能性があります。

――LMの特徴から考えて、リステリア食中毒の原因としてはどのようなものが挙げられるでしょうか。

 LMの特徴として、①環境の至るところで棲息している、②低温でも増殖できる(最低発育温度は-0.4℃)という点が挙げられます。11.5%の食塩が存在しても増殖可能な耐塩性、pH4.4 ~9.4で増殖可能な耐酸性も有しています。
 LM食中毒の原因食品としては、スモークサーモンなどの水産加工品、ナチュラルチーズなどの乳製品、生ハムやパテなどの食肉加工品、コールスローサラダなどの野菜加工品、メロンなどの果実といったような、多種多様なRTE食品が挙げられます。これらのRTE食品にLMが付着しており、LMが増殖できるものであれば、冷蔵庫内で保管している間であっても、ゆっくりですが増殖します。
 ただし、LMは熱に弱いので、喫食前に消費者が加熱するのであれば、あまり心配する必要はありません。また、健康な人が少量で発症する可能性は低いので、消費期限が短い場合も(菌が増殖する前に喫食するのであれば)リスクは低いと考えられます。しかしながら、加熱せずに喫食するRTE食品を比較的長期間保管する場合は、相応のリスクがあると考えた方がよいでしょう。

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