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LM汚染防止対策のポイントは、食品が接触するライン上に移行させないこと!

――LMは食品施設の至るところに存在する可能性があるということですが、食品取扱い現場ではどのように管理すべきでしょうか?

 LMは、包装機や充てん機、スライサーなどの加工装置、大型機械の中の食品の残渣、コンベア、冷蔵庫内など、様々な箇所から検出されることがあります。また、排水溝や排水管、床(特にヒビ割れて水たまりがある箇所など)などから検出されることもあります。このように人や物を介して工場内に広がり、工場環境の至るところに存在する菌が、最終製品を扱うラインも汚染している、という経路が考えられます。つまり、環境からラインに菌を「つけない」(移行させない)衛生管理が非常に重要なポイントとなります。
 LMには「施設定着株」という考え方があります。乳製品、食肉製品、水産加工品など多様な食品製造工場において、製品の種類が違うにも関わらず、あるいは製品の製造時期が違うにも関わらず、長期にわたって製品や環境から同じ血清型、同じDNA型の株が繰り返し検出される菌株をこのように呼んでいます。施設内にLMが定着して、製品を繰り返し汚染しているように見えます。
 ある報告では、枝肉よりも、スライスやミンチなどの加工をした肉の方が、LMの検出率が上がっていました。これはスライサーやミンサーなどの加工工程で食品が汚染される可能性を示唆しています。LM対策では、製造加工環境から製造加工ラインへの汚染を防止するような衛生管理が重要です。

――環境からの汚染を防ぐポイントについて、事例を交えて教えてください。

 残念ながら「こうすれば万全」という万能な特効薬はないと思います。大切なことは、効果的な洗浄を徹底することです。以前、保健所の食品衛生監視員の方の協力のもと、「製品からLMが高頻度に検出される漬物工場」(以下、A工場)と「製品からLMがほとんど検出されない漬物工場」(以下、B工場)で衛生管理の状況を調査したことがあります。
 LM対策として、工場内のドライ運用は非常に有効です。しかしながら、漬物工場では、野菜の洗浄や水切りなど大量の水を使うので、ドライ運用は現実的には難しいです。それでも、「環境中で微生物が生残や増殖をしないような工夫」は可能なはずです。
 A工場は、床にクラック(ヒビ割れや裂け目)などの劣化箇所が多数あり、つねに水溜まりができてウェットな状態でした。また、漬物工場ではタンクやフォークリフトなど重量のある器具・機器を使うので、床面に経年劣化としてクラックができるのはやむを得ないことですが、A工場ではそのクラックが放置されたままでした。
 それに対して、B工場は、耐久・耐重性に優れた素材を使用し、床に傷がついたら、こまめに補修していました。床や冷蔵庫内は、水溜まりができにくいように、勾配をとり、自然と排水溝に流れる設計になっていました。
 床からLMが検出されたからといって、それが即座にリスクにつながるわけではありません。極端にいえば、LMを施設内で増殖させず、最終製品が汚染されなければ、食中毒の原因にはなりません。しかし、A工場では、充填機など最終製品が接触する装置をはじめとして、施設の至るところからLMが検出されました。つまり、施設内でLMが生残・増殖していたと考えられます。このような状態では「充填機の洗浄のやり方を見直す」という対策だけでは、根本的な問題解決になりません。施設全体に定着しているLMを減らす取り組みをしなければ、製品からLMが検出され続けるでしょう。

――ゾーニングや動線のデザインで考慮すべき点はありますか?

 B工場では、原材料と製品が交差しないよう、施設内は隔壁で区画されていました。また、原料置場・下漬け室各入り口に排水溝を設け、キャスター・靴裏等を介した別室からの汚染を軽減するよう工夫がされていました。下漬けのタンクや樽は台車に乗せて移動させ、タンクや樽を床に直置きしないよう徹底されていました。これに対してA工場では、施設内はビニールカーテンで区画されているのみで、キャスター・長靴を介した作業動線の交差が見られました。タンクや樽を床に直置きしたり、積み重ねたりもしていました。B工場では、樽の直置きや積み重ねは厳禁で、清掃マニュアルも整備されていました。マニュアルを作成して、それが遵守されるように教育や啓発活動を展開することは、「正しい作業手順を定着させる」「作業に個人差やバラツキが生じないようにする」という効果だけでなく、「現場のどこに、どのような危険が潜在するか?」という意識・認識を共有・浸透させることにつながります。

――バイオフィルムとは、どのようなものですか。

 微生物が固体表面に付着・増殖して菌体外に多糖類を産生して生物膜をつくることです。いったんバイオフィルムができてしまうと、微生物が多糖類の中で保護された状態になり、殺菌剤が(内部の微生物まで)届かなくなってしまいます。
 例えば、ステンレスは平滑でピカピカに見えても、溝がたくさんあり、目に見えないレベルの細かな傷が付いている場合もあります。この溝や傷に細菌が入り込み、バイオフィルムを形成してしまうこともあります。そうなると、細菌の消毒が難しくなります。
 バイオフィルム形成を防止するには、日頃からの洗浄・消毒の徹底が重要でしょう。まずは物理的にこすり洗いをして汚れを落とします。洗浄の対象物に有機物が残存していると、いくら消毒剤を使っても、(有機物が邪魔をして)消毒剤の効果は低減してしまいます。高圧洗浄機は、こびりついた汚れを落とすには効果的な方法ですが、汚れや菌を周囲に撒き散らす可能性もあるので、使用の際には配慮が必要です。
 

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