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スリーエム ジャパン主催セミナー報告(第2回/全3回)
食中毒細菌による汚染実態から考えるべき検査とは
~いま世界で起きていること~

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  • 木村凡先生

    東京海洋大学 学術研究院
    食品生産科学部門 教授
    木村 凡 先生

    京都大学農学部水産学科卒業後、京都大学農学研究科大学院(修士、博士課程)、農林水産省水産大学校製造学科助手、東京水産大学(現東京海洋大学)食品生産学科助教授などを経て、2007年より東京海洋大学食品生産科学科(現学術研究院食品生産科学部門)教授、現在に至る。

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スリーエム ジャパンは2019年7月12日に東京都内でセミナー「広域的な食中毒事案対策から考える『病原菌検査の重要性』」を開催しました。今回のコラムでは、木村先生による講演内容をご紹介します。木村先生の講演では、食品微生物の規格基準に関する国内外の違い、国内外での食中毒の発生状況の違い、検証技術の進化に伴う食中毒責任の遡及などについて解説していただきました。

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  • ●EUでは工程管理で微生物検査が必須

        EUでは、食品安全規格基準(food safety criteria)と工程衛生規格基準(process hygiene criteria)という2種類の基準が設けられています。製品が食品安全規格基準を満たしていない場合はリコール、工程衛生規格基準を満たしていない場合は改善を行わなければなりません。日本では「最終製品の規格をクリアしていれば問題ない」という考え方が根強く、工程衛生規格基準のような法規制は存在せず、工程管理の検証(微生物検査)に対してはEUほどの注意は払われてきませんでした。HACCP(工程管理)が制度化されることで、今後は工程衛生規格基準の考え方が広まると考えます。(図参照)
         ただし、日本で工程衛生規格基準について考える場合、検査項目で問題が出てくる可能性があります。東南アジアの水産工場の検査担当者からは、「EUでは大腸菌の検査が要求されるが、日本では大腸菌群が要求される。天然である野菜や魚で大腸菌群が検出されるのは一般的なことではないのか?」という質問を頻繁に受けます。大腸菌群検査について、日本が世界から孤立している状況にあります。

  • 工程衛生規格基準の考え方
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●世界中を驚かせた小麦粉のO157食中毒~牛肉・野菜以外でも厳重な警戒が必要~

    腸管出血性大腸菌O157(以下、O157)は、牛などの家畜の腸の中にいる微生物で、牛肉を原因食品とする食中毒が懸念されていますが、野菜を原因食品とするO157食中毒も起きています。この汚染経路については、家畜の糞に汚染した菌が、畑の土や環境水を介して広がったためと考えられています。
    牛肉以外を原因とするO157食中毒は、海外でも起きています。最も衝撃的な事例の一つとして、2009年に米国内30州にまたがって発生した、市販のパック済みクッキー生地による食中毒があります。患者数は77人(このうち35人は入院、10人は尿毒症を発症)であり、極めて重大な事件でした。調査の結果、患者の多くが、本来は焼いて食べるクッキー生地を、生のまま(あるいは不十分な加熱で)喫食していることがわかりました。FDAは、クッキー生地の原材料の卵や小麦粉、砂糖、ベーキングソーダ、マーガリンなどを中心にO157の汚染源や汚染経路の調査を行い、最終的に「小麦粉が原因の可能性が最も高い」と判断しました。

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  • ●低水分活性食品によるサルモネラ食中毒が増加~原因である二次汚染を防ぐため、製造環境の微生物検査が一層重要に~

        一般的にサルモネラ食中毒は食肉や鶏卵などを原因食品として発生していますが、最近は水分活性が低い食品による食中毒が多数報告されています。米国では2006~12年にかけて、ピーナッツバターを原因食品とする大規模なサルモネラ食中毒事件が3件も起きています(①2006~07年、41州で患者数715人、②2008~09年、46州で714人、③2012年、少なくとも20州で42人)。
        ピーナッツバターは水分活性が0.35以下で、細菌が増殖しにくく、食中毒を想定しにくい食品です。サルモネラは比較的乾燥に強いため、工場内にバイオフィルムを形成し、環境中で“しぶとく”生残する可能性があります。ピーナッツのロースト後に、工場環境に常在するサルモネラが長期的に広範囲で二次汚染を起こした可能性が高いと考えられています。
        こうした事件を背景に、米国では環境からのサルモネラの二次汚染を防ぐため、環境の衛生管理の徹底(洗浄・消毒の徹底)や、微生物検査による環境調査への意識が高まっています。

  • 工場内で二次感染
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