3M™ ペトリフィルム™ 培地 「使い方のコツ」のご紹介
『 3M™ ペトリフィルム™ カビ・酵母測定用プレート(YMプレート) / カビ・酵母迅速測定用プレート (RYMプレート)の反応が食品由来かカビ・酵母由来かを確認する方法』
    2020.7.21

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今回は、3M™ ペトリフィルム™ カビ・酵母測定用プレート(YMプレート) / カビ・酵母迅速測定用プレート(RYMプレート)の反応が食品由来かカビ・酵母由来かを確認する方法をご紹介します。


3M™ ペトリフィルム™ カビ・酵母測定用プレート(YMプレート) / カビ・酵母迅速測定用プレート(RYMプレート)は、検体に酵素の一種であるフォスファターゼが含まれていると、カビ・酵母が存在しなくても青緑色を呈する粒状の食品残渣が見られたり、全体が均一な青色に変色してTNTC(測定不能多数)に見えたりすることがあります。そのため、反応が食品由来のものか、カビ・酵母由来のものかを見極めなければなりません。

これらの現象が起こりやすい食品としては、小麦粉、ナッツ、香辛料、発酵食品などが挙げられます。毎回確認する必要はありませんが、検体によっては、このような傾向が見られないかを事前に確認することをおすすめしています。


食品由来(フォスファターゼ反応)かカビ・酵母由来かを確認する方法


培養開始後、下記の時間内に色の変化が生じている場合は、食品由来のフォスファターゼ反応の可能性が高いです。そのため、培養直後から下記の時間までを目安に色の変化を確認してください。

・3M™ ペトリフィルム™ カビ・酵母測定用プレート(YMプレート):1~2日後
・3M™ ペトリフィルム™ カビ・酵母迅速測定用プレート(RYMプレート):1日後


一方、上記時間を経過した後に発色した場合は、カビ・酵母由来の可能性が高いです。カビ・酵母の場合は、時間経過と共に、発色した部分が大きくなったり、色が濃くなったりするため、その点もカビ・酵母かどうかを判断する目安となります。
なお、食品由来のフォスファターゼ反応が起こる場合は、以下の方法で影響を抑えることができます。



食品由来のフォスファターゼ反応の影響を抑える方法


①フィルター付きホモジナイザーバックを使用する

フィルター付きホモジナイザーバックを使用後、試料液をプレートに接種します。
フィルターで試料液がろ過され、プレート上への食品残渣の混入が抑えられ、フォスファターゼ反応を抑制することができます。

3M™ ペトリフィルム™ カビ・酵母迅速測定用プレート(RYMプレート)

 - 検体:きな粉

 - 10倍希釈

  • きな粉フィルターなし

    フィルターなし

  • きな粉フィルターあり

    フィルターあり

②試料液を静置後、上清(上澄み)を接種する


ホモジナイズ後、3~5分を目安に試料液を静置させます。

3~5分静置することで、試料液中の食品残渣が沈殿し、その上清を接種することで食品残渣の混入を抑えることができます。結果としてフォスファターゼ反応を抑制することができます。

3M™ ペトリフィルム™ カビ・酵母迅速測定用プレート(RYMプレート)

 - 検体:きな粉

 - フィルターなしホモジナイザーバック使用

 - 100倍希釈

  • きな粉静置なし

    静置なし

  • きな粉3分静置後

    3分静置後

③検体を希釈する


検体をさらに希釈して、プレートに接種します。

希釈することで食品の成分が薄くなり、食品由来のフォスファターゼ反応を抑制することができます。

3M™ ペトリフィルム™ カビ・酵母測定用プレート(YMプレート)

 - 検体:小麦粉

 - フィルター付きホモジナイザーバック使用

  • 小麦粉10倍希釈

    10倍希釈

  • 小麦粉100倍希釈

    100倍希釈