腸内細菌群の種類

腸内細菌科菌群

  • 腸内細菌群は、食品業界で衛生状態と下水処理をモニタリングするために重要なグループとして認識されているグラム陰性の細菌群です。このグループには、すべての大腸菌群を含む多数の微生物が含まれます。これらの細菌群は、食品媒介性疾患を引き起こすことで知られているサルモネラ属菌や大腸菌などの細菌から、食品腐敗剤、腸内フローラの一部として人間の腸管に通常存在するさまざまな微生物まで、あらゆる範囲に及びます。このような遍在的な分布により、腸内細菌群の一部が食物連鎖に入ることはほぼ避けられません。

    腸内細菌群はグルコースを酸と二酸化炭素ガスの両方またはいずれか一方に発酵させる能力を備えたグラム陰性の桿菌で、オキシダーゼ陰性が特徴です。多くは運動性があり、長さは1〜5マイクロメートルです。

    食品業界では、腸内細菌科菌群は衛生指標菌と見なされています。腸内細菌科菌群が(3M™ ペトリフィルム™ 腸内細菌群数測定用プレートなどを用いて)、製造環境から検出された場合は、衛生状態を見直す必要があるかもしれません。

    腸内細菌群は殺菌剤によって容易に殺菌されるため、施設内の全体的な衛生状態をモニタリングする際の指標として優れています。腸内細菌科菌群は、製造環境の洗浄や殺菌が不十分であると、常在化する恐れがあるため、注意が必要です。


規制および腸内細菌群の検査法

  • 腸内細菌群は国によってガイドラインや規制が異なります。そのため、食品メーカーはそれぞれの場所に応じた基準やサンプリング計画に従う必要があります。

    制御方法に関しては、腸内細菌群は熱に弱いため、製品へのサルモネラ属菌(腸内細菌科菌群に含まれます)等による汚染を防ぐために、加熱処理が最も頻繁に行われます。(なお、冷凍処理は腸内細菌科菌群を殺菌するための手段としてはあまり有用ではありません)

    これらの処理の後、製品に対して腸内細菌群の検査を行い、加熱処理が適切に実施できているかを確認します。たとえば、低温殺菌後の牛乳で腸内細菌群が検出された場合、加熱処理が不十分であるか、加熱処理後に汚染された可能性があります。腸内細菌群の検査結果は、製造プロセスが管理されていることを保証するものです。