同社は、それまで寒天培地を使用した検査を行っていた。しかしながら、この検査方法では、培養時間の都合上結果確認のために休日出勤する必要がある。微生物検査担当者は1名しかいないため、担当者は実質週休1日で勤務を続けるしかなかった。
また、この検査員は元から検査部門でキャリアを積んできたわけではなく、前任者の退職に伴う配置転換で引き継いだ内容を実施しているのみだった。専門的なトレーニングを受けていないため、自身のスキルに自信がもてずにいた。また、検査手技や判定結果に迷うことがあっても誰にも相談できず悩んでいたという。
現在の検査方法を導入したのははるか昔で、培地メーカーの担当者が同社を訪れたことはなく、使用している培地の使い方や判定方法について聞くこともできなかった。
品質管理部 部長A氏はなんとか現状を改善したい思いがあった。しかしながら、A氏も品質管理部へ異動してきて間もないため、検査業務に対する情報や知識がない。具体的に何から着手すれば良いかわからなかったが、一刻も早い環境の改善の必要性を感じていた。
お困りごとのポイント
◆検査担当者は、検査結果確認のため休日出勤をしなければいけない状況
◆検査担当者は検査の専門的なトレーニングを受けたことがないため、スキルに自信がない
◆社内で品質管理について詳しい人がおらず、品質管理部門の労働環境を改善したいが、どのように着手していいかわからない
A氏は、以前よりスリーエムの営業担当者から提案を受けていた3M™ ペトリフィルム™ 培地の導入を改めて検討することにした 。
3M™ ペトリフィルム™ 培地について改めて説明を聞いてみると、微生物検査のうちメインで検査している、一般生菌、大腸菌群、E. coli (大腸菌)が24時間で判定できることがわかった。従来の検査方法では一般生菌は判定までに48時間かかっていたが、3M™ ペトリフィルム™ 培地は半分に短縮することができる。検査員が結果確認のために休日出勤していることがA氏の大きな悩み事の1つであったが、これで問題解決できることがわかった。さらには、不具合発生時に今までよりも迅速に対応できることも大きなメリットだと感じた。
3M™ ペトリフィルム™ 培地は、判定方法もわかりやすかった。生育したコロニーが指示薬によって染色されるため、測定しやすく見落としが少ない。従来の寒天培地では、食品残渣とコロニーの見分けが時々難しく、検査員は判定に自信を持てずに悩んでいることがあった。これであれば判定に迷うことも軽減され、検査員のストレスを減らすことにもつながると確信できた。 また、従来の寒天培地での検査は、培地調製のスキルが必要とされ、不適切な温度での培地保温や混釈だと、検査結果に影響を及ぼす可能性がある。3M™ ペトリフィルム™ 培地は培地調製の必要がなく、フィルムに検体を接種するだけなので、専門的なトレーニングを受けておらず、自身のスキルに不安を持っている検査員でも自信をもって検査できると感じた。
3M™ ペトリフィルム™ 培地導入後は、スリーエムの営業担当者のサポートもあり、スムーズに検査が行えている。運用が落ち着いてからは、検査員が休日出勤することはなくなった。A氏は検査員の休日出勤を削減し、検査に対する精神的負担を軽減できたメリットは非常に大きいと感じている。
また、スリーエムからはメールマガジンで定期的に業界動向が届けられるほか、無料オンラインセミナー などの教育サポートツールも提供される。外部と接する機会が少なく、業界情報を得ることが難しかったA氏にとっては、非常に役立つコンテンツとなっている。
安全・安心な食品をお客様に届けることはもちろん、さらなる品質管理体制の向上と労働環境の改善に、3M™ ペトリフィルム™ 培地が役立てられている。
解決のポイント
◆ 24時間で判定できる3M™ ペトリフィルム™ 培地の導入により、休日出勤が削減された
◆3M™ ペトリフィルム™ 培地は、判定方法が分かりやすく、培地調製不要なため、検査員の精神的な負担が軽減された
◆メールマガジンやオンラインセミナーを通じて業界情報や製品情報を学ぶことができる