株式会社フライングガーデン様

株式会社フライングガーデン様

※本事例は、月刊食品工場長2018年5月号に掲載された記事を編集したものになります。

※本事例は、月刊食品工場長2018年5月号に掲載された記事を編集したものになります。

  • 株式会社フライングガーデン様

    世界一安全でおいしいハンバーグに!
    3M™ 病原菌自動検出システムで検査精度を向上

    関東地区で郊外型レストランを展開する㈱フライングガーデンでは、サルモネラ属菌の検査で2015年に導入した「3M™ 病原菌自動検出システム(以下、MDS)」により、検査精度の大幅な向上を実現した。世界一安全でおいしいハンバーグを提供し続けたいという同社の要求に対して、同システムはどのように応えているのだろうか。

  • 株式会社フライングガーデン様

    「爆弾ハンバーグ」を出荷する栃木工場

  • 株式会社フライングガーデン様

    フライングガーデンの看板メニュー「爆弾ハンバーグ」シリーズの「爆弾キング和風」

  • 志賀 博文 氏

    品質管理室
    上席マネジャー

    志賀 博文 氏

  • 佐々木 一 氏

    栃木工場
    工場長

    佐々木 一 氏


株式会社フライングガーデン様の会社概要

  本社所在地   栃木県小山市本郷町3-4-18
  創業   1976年
  株式会社設立   1981年
  従業員数   1700人(うち社員161人)
  年商   71億円(2017年3月期)
  生産拠点   栃木工場(栃木県河内郡上三川町大字多功2579-3、敷地面積=2529㎡、延床面積=957㎡)

「真心のご奉仕」をモットーに

 

1976年、群馬県桐生市に野沢八千万社長がピザ・クレープの個人店を創業したのが、現フライングガーデンのルーツ。84年、同市にフライング ガーデン1号店を構えると、その後は郊外型レストランとして続々と新店を開設し、90年に宇都宮市の店舗でその後の看板メニューとなる「爆弾ハンバーグ」を販売開始。2018年5月現在は群馬と栃木、茨城、埼玉、千葉の関東5県に61店舗を展開している。爆弾ハンバーグはファンに「バクダン」や「バクハン」として親しまれている。「真心のご奉仕」をモットーに、来店者に満足感と幸福感を存分に味わってもらおうと開発された俵型のハンバーグで、熱く熱した鉄板にのせて提供する。「『爆弾』という名称は、その形状だけでなく、来店客の目の前でカットする際の油のはねる様子を爆弾のはじけるイメージとして付けられています」(栃木工場 工場長 佐々木一氏)
最大のこだわりは、ひいたステーキのようなハンバーグとして提供していること。肉のうま味であるドリップの流出を防ぐために鮮度が求められ、衛生管理のハードルはより高くなるが、「新たな品種となるハンバーグを作る」という野沢社長の強い決意の下でこのスタイルを守り続けている。12年には、爆弾ハンバーグの品質の均一化を図り、自社の完全な管理下で製造を行うため、初の直営工場である栃木工場を開設。翌年以降はここから爆弾ハンバーグを各店舗に出荷している。

ミディアムでの提供を守るために

 

爆弾ハンバーグはミディアムで提供する。従って、この品質管理に当たっては、食中毒予防の三原則「細菌を付けない(清潔、洗浄)、細菌を増やさない(迅速、冷却)、細菌をやっつける(殺菌)」を貫徹する必要がある。同社では海外のミートパッカーを含めた原材料の仕入れ先への視察、また仕入れ先から栃木工場、配送、各店舗での保管に至るまでサプライチェーン全体での厳しい温度管理と衛生モニタリングを行っているほか、爆弾ハンバーグの出荷・配送に当たっては、店舗での加熱まで一切、人の手が触れないよう1個ずつ個包装している。しかも個々にシリアルナンバーを振り、トレーサビリティを確立している。
そして検査体制も非常に厳格だ。同社では主に一般生菌数、大腸菌群、E.coli 、黄色ブドウ球菌、サルモネラ属菌、腸管出血性大腸菌(EHEC)の6種類の微生物検査を、80㎏の製品ロットごとにサンプルを取り出して行っている。すなわち全ロットに対する検査である。原材料の仕入れから店舗へのハンバーグの出荷までの各段階でこれらの菌に対して独自の基準値を設け、少しでも超えていたら「そのロットを全廃棄する」という方針を貫く。「『私たちは爆弾ハンバーグを世界一安全でおいしいものにする』という共通目標の下で提供しているからこそ、少しでも怪しい状況があれば迷うことなく、リスクの可能性を撲滅することを優先させているのです」(品質管理室 上席マネジャー 志賀博文氏)

検査精度を上げたい

 

人材確保やハードを含め、検査に対する投資も惜しまなかった。爆弾ハンバーグの自社生産体制への切り替えを機に品質管理室を設け、5人の専属スタッフを確保、そして自主検査の時間短縮を図るため、リアルタイムPCR法による遺伝子検査装置も導入した。
「当時、少なくともこの工場の規模でこうした高額な検査機器を導入した例は聞いたことがありませんでした。トップはこの投資に対して一切ノーと言わなかったのです」(佐々木工場長)
より新鮮な状態で提供するため、爆弾ハンバーグの消費期限は短期間に設定。それだけに、検査にコストはかけられても、時間はかけられない。自主検査のために導入したリアルタイムPCR法は培養法と比べて大幅な時間短縮が図れたが、課題も多かった。「試薬の調製や分注など手間のかかる作業でそれなりに人手を割かなければならず、歩留まりも悪くなりました。最も課題となっていたのが検査作業のミスでした」(志賀マネジャー)
たとえどんなに高度な機器を用いても、検査の準備をするのは人である。複雑なオペレーションにはどうしてもミスが伴いやすくなる。検査ミスをしたロットは出荷できない。やり直して再判定が出る時間が出荷に間に合わなければ、そのロットは廃棄となる。「検査ミスは製品にとってもまさに命取り。ミスを防げ、確実に検査精度を上げる方法がないかと考えていたときに3Mさんから紹介されたのがMDSでした」(同)

前培養後のピベット操作は2回

 

  • 3M™ 病原菌自動検出システム(MDS)の本体(写真右)と検査キット(写真左)。
    3M™ 病原菌自動検出システム(MDS)の本体(写真右)と検査キット(写真左)。下図は各食中毒菌別の前培養時間と温度

    MDSは等温DNA増幅と生物発光検出を融合させた技術により高特異性
    と高感度を実現することで、前増菌培養後に陽性を最短15分、陰性を最短60分で確認できる病原菌検査システムだ。日本国内では12年に限定販売を開始。最大の特徴は増幅と検出が同時に連続的に行われ、検査作業にかかる時間の大幅な短縮が図れることである。
    等温DNA増幅とは、複数のプライマー(酵素がDNAを合成する際の核
    酸)と錯置換活性を有するDNAポリメラーゼ(酵素)を用いて等温(60℃の一定温度)での増幅を行う方法。サーマルサイクリング(加温と冷却の交互繰り返し)を行う必要がないため、作業時間を削減でき、大掛かりな装置も不要になるなどのメリットがある。標的となるDNAの増幅時には大量のピロリン酸塩が副産物として生成され、これがATPに変換されてルシフェラーゼ(ホタル由来の酵素)と反応して発光、最終的にはそのレベルを計測することで、病原菌を検出する。
    専用のキットには、難しい調製が不要な出来上がり試薬が同ど う梱こんされており、前培養後のピペット操作は2回だけで済む。これによりクロスコンタミネーションのリスクが抑えられ、検査精度を高く保てる。また、前培養後の操作はどの菌種でも共通の手順で行えるため操作ミスが起こりにくく、同時に別々の菌種を検査することも可能だ。

  • 80㎏ 1 ロットごとに採取されるサンプル
    80㎏ 1 ロットごとに採取されるサンプル

    現在は「サルモネラ属菌用」「リステリア属菌用」「E.coli O157用」「リステリア・モノサイトゲネス用」の4種類が用意されており、いずれも分析法の国際規格AOAC OMAおよびAFNORの認証を得ている。日本国内では「食品衛生検査指針 微生物編改訂第2版 2018」((公社)日本食品衛生協会)に同システムが食中毒菌の試験法の一つとして収載。16年には厚生労働省の監視安全課輸入食品安全対策室より、リステリア・モノサイトゲネスおよびサルモネラ属菌に関わる検疫所でのモニタリング検査について、「検査時間の短縮と国際整合性の取れた検査手法の採用のために簡易測定装置(キット)を用いた陰性の判定を認める」との事務連絡通知があり、同システムの採用も決まっている。

公認を得たMDSを採用

 

「一連の工程がシステム化されているのが最大の魅力でした。検査に必要なものがあらかじめ小分けされ、過度な分注も不要な仕組みとなっており、作業ミスを極力なくせる工夫が施されて、これならば検査精度をより上げられると確信しました。ただ、紹介を受けた14年当初は国内での公認がまだ得られていなかったため、しばらくはペンディングとなりました」(同)
その後、MDSの検査が食品衛生検査指針に最初に収載された15年に採用を決定。同社では現在まで、サルモネラ属菌の検査でMDSを活用している。「製品も検査方法も、どんなに自分たちが良いと思うものでも、客観的な評価の下でお客さまに納得していただけなければ、本当の信頼にはつなげられません。だからこそ、公認を得たMDSを選ぶことにしたのです」(同)

MDSに対する評価

 

導入から約2年、同社ではMDSに対して「正確性」「迅速性」「簡便性」の観点から次のような評価をしている。
正確性▶︎AOAC OMAの認証、食品衛生検査指針への収載など公認を得ていることを評価したが、自社でも2カ月間にわたってリアルタイムPCR法との相関性を検証確認した。その結果、判定の相違はなく、自主検査の方法として、妥当であることが確認された。
迅速性▶︎検体の採取から結果判定まで、リアルタイムPCR法は約2時間だったが、MDSは約1時間半と、30分ほど短縮。試薬の調製や面倒な分注作業などが不要になったことが大きい。
簡便性▶︎試薬があらかじめ入れられたチューブに前培養済み検体を滴下し、正しく加温されるとピンク色から黄色に変わる。逆に、冷却すると黄色からピンク色に変わる。
「これまでは一連の作業が技量や経験に左右され、ミスをしていないか不安だったのですが、このように色が変わることで正しい手順を踏んでいるという確信が得られるので安心です。他のスタッフが見て確認できるので、ダブルチェックも可能です」(同)
実際、検査ミスは劇的に減った。
以上のようなメリットを通じて検査の質が上がることで、爆弾ハンバーグに対する信頼性をさらに高められると佐々木工場長は期待する。
「検査ミスがないという確信は、出荷したものに対する絶対的な自信につながります。爆弾ハンバーグは今でも進化を続けていますが、これから先も変わらず守っていかなくてはならないのは、信用なのです」

MDSを活用した検査フロー(前培養後)

 

※4種の食中毒菌に対して共通のフロー。同時測定も可能。

  • 前培養済み検体(20 ㎕)を採取しライシスチューブに入れる

    1.
    前培養済み検体(20 ㎕)を採取しライシスチューブに入れる

  •  検体を100±1℃で15 分間加温し、その後、室温で5 ~ 10 分間冷却する

    2.
    検体を100±1℃で15 分間加温し、その後、室温で5 ~ 10 分間冷却する

  • 試薬の入った専用チューブに検体を転送し、それをMDS本体にセットするためのスピードローダートレイにセットする

    3.
    試薬の入った専用チューブに検体を転送し、それをMDS本体にセットするためのスピードローダートレイにセットする

  •  スピードローダートレイをMDS本体にセットする

    4.
    スピードローダートレイをMDS本体にセットする

  • パソコンに必要な情報を入力後、測定開始

    5.
    パソコンに必要な情報を入力後、測定開始。サルモネラ属菌の陽性の判定は最短15 分、陰性の判定は60 分で出せる

  • 測定後の画面例

    6.
    測定後の画面例。赤い囲み内は陽性コントロールの結果だが、実際に検体で陽性の判定がされた場合もこのように山なりのピークで判定される

人の命を預かっている

 

今後は爆弾ハンバーグが安全・安心であることを見える形で来店者に積極的にアピールしていくため、現在、栃木工場では「栃木県食品自主衛生管理認証制度(とちぎHACCP)」の認証取得に向けて準備を進めている。
「自社工場の立ち上げからHACCPの考え方を取り入れ、実績も積んでいるつもりですが、やはり自分たちの取り組みに対する客観的な評価も必要だと考えるからです」(志賀マネジャー)
爆弾ハンバーグを世界一安全でおいしいものにするという高いハードルにチャレンジしてきた同社。これまでも、これからも、そのベースとなるのは変わることのない強い思いだ。
「本当においしいものは安全・安心の上に成り立っているのです。食べ物を届ける私たちは、人の命を預かっているのです」(佐々木工場長)


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