1962年の創業以来、とんかつ専門店「浜勝」、長崎ちゃんぽん専門店「リンガーハット」などの外食事業を展開してきたリンガーハットグループ様。厳しい自社基準を設けて「食の安全・安心」を追求してきたリンガーハットグループ様では、外販事業の拡大にともない、2007 年に「3M™ ペトリフィルム™ 培地」を採用。2015年には、24 時間で判定可能な「3M™ ペトリフィルム™ 培地 生菌数迅速測定用プレート(RACプレート)」をいち早く導入されました。
株式会社リンガーハット
品質保証部 課長
株式会社リンガーハット
品質保証部 係長
株式会社リンガーハット
佐賀工場 佐賀生産チーム
外販ライン ライン長
株式会社リンガーハット
佐賀工場 検査室
検査担当 リンガーメイト
調理済み商品を製造・販売する外販部門の拡大にともない、2007年に検査業務の効率化を目的に「3M™ ペトリフィルム™ 培地」を採用。外販商品は検査結果確認後に出荷となるため、48時間を要していた判定時間の短縮を継続的に生産、営業の現場から求められていました。
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「3M™ ペトリフィルム™ 培地」の精度、作業性が高く評価されていたことから、24時間で判定可能な「3M™ ペトリフィルム™ 培地 生菌数迅速測定用プレート(RACプレート)」の発売を受け、いち早く導入。主要な菌種をすべて24時間で判定できる体制が整えられました。
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主要菌種の検査がすべて24時間で判定可能となり、出荷までの時間がほぼ半分に。その結果、在庫スペースが縮小し、エネルギーコストが減少。急な注文に対応可能になるなどさまざまなメリットが得られました。
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本社所在地 | 〒141-0032 東京都品川区大崎1-6-1TOC 大崎ビル14F |
設立 | 1970年6月 |
資本金 | 50億6,600万円(2016年2月末現在) |
売上高 | 411億2,900万円(2016年2月期) |
従業員数 | 704人(2016年1496 名/パート・アルバイト4,607 名(2016 年2月期) ※パート・アルバイト従業員数は正社員所定労働時間に換算した人数月31日現在) |
事業内容 | 外食事業、販売事業 |
URL | http://www.ringerhut.co.jp/ |
1962年に長崎市で「とんかつ浜勝」として創業し、現在は長崎ちゃんぽん専門店「リンガーハット」、とんかつ専門店「浜勝」などを国内外で約700店、チェーン展開するリンガーハットグループ様。
野菜や麺に使用する小麦粉の国産化を推進するなど、素材の品質を追求し、安全・安心でおいしい商品を提供し続けてきたリンガーハットグループ様では、食材の仕入れから加工、包装、配送、店舗での調理、販売に至る全工程で徹底した品質管理を行っています。
微生物検査についても、厳しい自主基準を設けて商品のサンプリング検査や製造設備のふき取り検査などを実施。店舗の衛生チェックも定期的に行い、万一、自主基準に適合しない結果が出た場合には迅速に原因を究明し、問題点を改善してきました。
創業以来、外食ビジネスをメインに展開してきたリンガーハットグループ様では、さらなる成長をめざし、2007年に外販部門を強化。リンガーハットの長崎ちゃんぽん、皿うどん、餃子などを調理済みの冷凍食品として販売する外販事業に注力することになりました。
外販商品の製造を担当する佐賀工場の検査室では、それまで寒天培地を作成して微生物検査を行ってきましたが、業務拡大にともない検体数が一気に増加することから、従来の検査法では対応が困難に。そのため、培地調製が不要の「3M™ ペトリフィルム™ 培地」が導入されることになりました。
「佐賀工場では1983年の創設以来、『浜勝』や『リンガーハット』の店舗用商品を製造してきました。2007年から外販事業に本格的に取り組むことになり、検体数の大幅な増加が見込まれましたが、微生物検査を担当する人員は限られています。そのため、作業時間、検査時間の短縮を目的に『3M™ ペトリフィルム™ 培地』の導入を決めました」(株式会社リンガーハット 品質保証部 課長 近藤栄一氏)
外販商品の微生物検査を効率的に行うため、リンガーハットグループ様では3M™ ペトリフィルム™ 培地「生菌数測定用プレート(ACプレート)」、「 および大腸菌群数測定用プレート(ECプレート)」、「黄色ブドウ球菌測定用プレート(STXプレート)」を導入。これにより、外販商品の検査はスムーズに行えるようになりました。しかし、当日製造、当日配送される店舗商品に対し、多様な販路を通じて販売する外販商品の出荷は、検査の結果確認後となります。そのため、現場からは判定時間の短縮を望む声が聞かれました。
「製造や出荷の担当者からは1分、1秒でも早く結果を出してほしいとよく言われていました。しかし、一般生菌の検査は結果が出るまでどうしても48時間必要でしたから、『結果を伝えられるのは2日後になります』と説明するしかありませんでした」(株式会社リンガーハット 品質保証部 係長 片山智美氏)
こうしたなかで、2015年に24時間で判定可能な3M™ ペトリフィルム™ 培地「生菌数迅速測定用プレート(RACプレート)」が発売に。これにより、一般生菌、大腸菌群、大腸菌、黄色ブドウ球菌という主要な菌種がすべて24時間で判定可能となることを受け、リンガーハットグループ様では3M™ ペトリフィルム™ 培地「 生菌数測定用プレート(ACプレート)」から「生菌数迅速測定用プレート(RACプレート)」へ切り替えるとともに、「3M™ ペトリフィルム™ 培地」のラインアップの見直しを行うことになりました。
店舗用商品
外販用商品
リンガーハットグループ様では「3M™ ペトリフィルム™ 培地」の精度、作業性が高く評価されていました。その一方で、外販商品をより早く出荷するために迅速に検査結果を得ることができる検査方法を待ち望まれていたことから、24時間で判定可能な「3M™ ペトリフィルム™ 培地 生菌数迅速測定用プレート(RACプレート)」の発売後は、いち早く導入が決定されました。
「3M™ ペトリフィルム™ 培地は培地調製が要らず、急な検査依頼にも対応しやすいので、検査を担当するスタッフにも好評でした。ただ、現場からは判定結果を少しでも早く出してほしいという要望がつねにあったので、24時間で判定可能な製品が発売されると聞き、ぜひ導入したいと思いました」(片山智美氏)
これまで生産管理など、製造現場のマネジメント業務も経験してきた品質保証部の近藤栄一課長は、判定が24時間で可能になることで、検査が効率化するのはもちろん、生産性や営業競争力の向上、コストダウンなど、「さまざまなメリットが期待できると判断した」と言います。
「判定が出るまで48時間かかるということは、外販商品を出荷するまで現場は2日間在庫を抱えることになり、在庫を保管するスペースの確保が問題でした。これが24時間で判定可能となれば、そのスペースを削減できますし、出荷が1日早くなれば、その分、さまざまなコストを低減できます。そういった点を含め、マネジメントの面からもメリットは大きいと考えました」(近藤栄一氏)
2015年春にこれまでのラインアップを見直し、「3M™ ペトリフィルム™ 培地 生菌数迅速測定用プレート(RACプレート)」、「大腸菌群数測定用プレート(CCプレート)」、「大腸菌測定用プレート(SECプレート)」、「黄色ブドウ球菌測定用プレート(STXプレート)」を使用する体制になったリンガーハットグループ様。これにより、主要な菌種をすべて24時間で判定可能になりました。
リンガーハットグループ様では現在、外販商品の微生物検査などに「3M™ ペトリフィルム™ 培地」を活用。一般生菌、大腸菌群、大腸菌、黄色ブドウ球菌という主要菌種がすべて24時間で判定可能となったことから、5つのメリットが得られたと言います。
1 外販商品の在庫スペースを削減でき、冷凍保管に要するエネルギーコストを低減できた。
2 削減できた在庫スペースを新規ラインの建設などに有効利用できるようになり、生産性が向上した。
3 取引先からの急な注文に迅速に対応できるようになった。
4 異常時の現場の改善が迅速に行えるようになった。
5 検査担当者の負担が軽減された。
とくに、判定までの時間が2分の1になり、外販商品の在庫スペースが半減したことは大きなメリットでした。
「24時間で判定可能となった結果、パレット数で言えば10パレットから15パレット分程度の在庫スペースを削減できました」
(株式会社リンガーハット 佐賀工場 佐賀生産チーム 外販ライン ライン長 脇内天氏)
在庫スペースの削減は、冷凍倉庫を維持管理するエネルギーコストの低減にもつながりました。
「以前は中元期や歳暮期は冷凍庫が満杯になり、冷凍倉庫をフルパワーで冷やさなければなりませんでした。しかし、在庫スペースが半分で済むようになったため、効率的に冷却することが可能になりました。」(近藤栄一氏)
主要菌種をすべて24時間で判定できるようになったことで、以前に比べ、検査がよりスムーズに行われています。
「検査室は工場同様365日稼働しているため、検査を担当するスタッフは曜日や時間帯により入れ替わります。そのため、48時間判定と24時間判定の3M™ ペトリフィルム™ 培地が混在していた時には、まれに測定のタイミングを間違えることがありました。しかし、すべて24時間で判定可能になったことで、前日接種したものをすべて培養器から取り出して測定し、そのまま廃棄すればよくなり、ミスがなくなりました。それに、以前は現場から『早く結果を』と言われることがストレスになっていましたが、24時間で判定が可能となり、ストレスが減りました」(片山智美氏)
加えて、「3M™ ペトリフィルム™ 培地 生菌数迅速測定用プレート(RACプレート)」は芽胞菌による液状化がこれまでよりも抑えられているため、判定がより容易になり、検査にかかる作業時間自体も短縮されました。
「以前は餃子の検査で菌が液状化して数えにくいことがありましたが、『3M™ ペトリフィルム™ 培地 生菌数迅速測定用プレート(RACプレート)』はその点が改善されているので測定しやすいです。スプレッダーも使いやすくなって、作業が早く行えるようになりました」
(株式会社リンガーハット 佐賀工場 検査室 検査担当 リンガーメイト 杉谷知佳子氏)
リンガーハット様では様々な工夫を施したラインを随時導入されています。
リンガーハットグループ様では、この10年で外販商品の売上が約10倍に伸び、アイテム数も年々増加してきました。その一方で、デザートビュッフェを導入した新スタイルの「浜勝」や、“おかずとごはん”をコンセプトとする新業態「おかず屋by Ringer Hut」など、新たな試みにも挑戦。続々と開発される新商品の検査にも「3M™ ペトリフィルム™ 培地」が活用されています。
「新商品の開発時はもちろん、既存の商品もつねにブラッシュアップしなければなりませんから、商品開発担当からはつねに検査依頼が入ります。さらに『浜勝』のデザートブッフェや『おかず屋』のメニューの検査も行っているので、以前に比べ検体数は確実に増えています。ただ、急に検査依頼がきても、3M™ ペトリフィルム™ 培地の場合は、寒天培地のように準備に時間がかかるということがないので対応しやすいですね。手間がかからず、結果が早くわかるので、新店舗の衛生チェックで行う設備や備品、従業員の手指の拭き取り検査にもペトリフィルム™ 培地を使用しています」(片山智美氏)
成長著しいアジア諸国をはじめ、海外への出店を積極的に推し進めているリンガーハットグループ様では、海外拠点の増設、海外売上の拡大などの事業展開を視野に入れ、2012~2013年に佐賀工場、鳥栖工場、富士小山工場でISO22000認証を取得。その後もさらなる品質向上をめざし、品質保証活動の充実が図られています。
「弊社では今後の事業展開を踏まえ、従来の品質管理体制をさらに要求レベルの高い水準へ引き上げることをめざしています。これからもお客さまに安心して食事を楽しんでいただけるよう、従業員の安全・安心意識をさらに高め、品質管理体制を強化していく考えです」(近藤栄一氏)
安全・安心でおいしい「食」を追求し続けるリンガーハットグループ様。日々の品質保証活動に「3M™ ペトリフィルム™ 培地」が役立てられています。
様々な部門での業務経験から、判定までの時間短縮は、生産、営業現場の競争力向上につながると判断することができました。
(近藤栄一氏)
在庫スペースを大幅に削減できたことにより、スペースの有効活用ができ、生産性向上につなげることができました。
(脇内天氏)
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