課題
- 建物用途から居住性を確保する必要もあり、微小な変形でも効果を発揮させたい
- 建築計画により、制振ダンパーの設置個所に大きな制約があり、開口部を設けながらダンパーを設置する必要がある
- 設置個所のスパンが2m程度しかなく、開口部を確保するためには、ブレース型はもちろん、間柱型でも設置できない
- 建物のアスペクト比が大きく曲げ変形が卓越するため、通常の設置方法では効果を発揮しにくい
- 居住性だけではなく、地震対策としてもダンパーを設置し、層間変形角1/100rad.以下に応答を低減したい
- 温度依存性がある粘弾性ダンパーは10℃~30℃での検討が必要と煩雑、設計をシンプルにするためにも性能の変動が小さいものが望ましい
解決策:滑り荷重500kNの弊社ハイブリッドダンパーを採用することで、以下の課題を解決
- 開口部上部のまぐさに設置することにより、制約条件の中で設置場所を確保
- アスペクト比の大きい建物に生じる曲げ変形に対してダンパーが効果を発揮するような設置形態を選択し、ダンパーは上下方向に稼働して効果を発揮
- 粘弾性ダンパー部は微小な変形から確実にエネルギーを吸収、居住性を改善
- 大地震時には摩擦ダンパーとしてエネルギーを吸収し応答を20%程度低減し、層間変形角1/100rad.以下というクライテリアを満足
※低層階(1~5階)は、剛性と耐力を確保するため鉄骨ブレースを配置