脱脂洗浄における臭素系洗浄剤(ノルマルプロピルブロマイド、nPBまたは1-BP)やトリクロロエチレン(TCE)などの毒性の懸念が高い化学物質の使用は、世界中の規制当局によって詳細に精査される機会が増えています。作業者の安全性への懸念から、米国環境保護庁(EPA)は、脱脂洗浄におけるTCEの使用の禁止を提案し、臭素系洗浄剤(nPB)を、作業者への安全性に対するリスクが生じるかどうかをリスク評価によって判断すべき上位10の化学物質の1つとしました。欧州連合ではすでに脱脂洗浄においてTCEを廃止しており、nPBは2020年に廃止される予定です。3M™ Novec™ 高機能性液体は、臭素系洗浄剤(ノルマルプロピルブロマイド、nPB)、トリクロロエチレン(TCE)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)に代わる安全で環境適合性の高い高い洗浄方法です。臭素系洗浄剤(nPB)やトリクロロエチレン(TCE)の使用とは異なり、EPAではNovec™ 高機能性液体は使用、排出量の報告を義務付けていません。
作業者の安全性への懸念から、臭素系洗浄剤(nPB)を中心に規制圧力が強まっています。臭素系洗浄剤(nPB)に関する現在および今後の規制変更には、次のようなものがあります。
作業者の安全性を第一に考える必要があります。脱脂洗浄用途で臭素系洗浄剤(nPB)を安全に使用するためには、各企業は作業者の曝露レベルを少なくとも0.1 ppmに下げる必要があります。これは一般的な脱脂洗浄での曝露レベルの100分の1です。これを実現するには、新しい換気システム、呼吸保護、洗浄機、蒸気洗浄剤の変更などが必要になる場合があり、コストがかかります。機器やプロセスの変更、トレーニング、曝露モニタリングのコストが増大すると、実質的に臭素系洗浄剤(nPB)を脱脂洗浄に使用できなくなります。
臭素系洗浄剤(nPB)に繰り返しかつ慢性的に曝露する作業者で、次のような非がん性およびがん性の健康リスクが特定されました。
TCEはクラスA2の「人に対する発がん性が疑われる」物質です。TCEは、曝露を原因とするがん以外の重大なリスクなど、不当なリスクを人の健康にもたらします。脱脂洗浄用途のTCEに慢性的に曝露すると、健康に深刻な悪影響が及ぶ可能性があります。作業者の安全性が懸念されることから、米国EPAでは脱脂洗浄用途におけるTCEの禁止が提案されています。またEUでは、化学物質の登録、評価、認可および制限に関する規則(REACH)により、特別な許可なしに使用することはすでに禁止されています。
ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)はクラスIIのオゾン破壊物質で、モントリオール議定書の下で世界的な段階的廃止が計画されています。日本では2019年末に製造が禁止になりました。米国とEUでは実質的にHCFCの使用から完全に移行しましたが、開発途上国は段階的廃止の初期段階にあります。HCFCがもはや実用可能な洗浄溶剤でなくなった今、脱脂洗浄に適したより高性能かつ安全で、より環境適合性の高い溶剤を選択してください。
典型的な脱脂洗浄曝露は、nPB曝露ガイドラインを100倍以上超過するため、この用途には安全なソリューションではありません。nPB同様、TCEにも曝露の低減を指示するガイドラインがあります。弊社の最も新しい強力洗浄溶剤である3M™ Novec™ 73DE高機能性液体の曝露ガイドラインは195 ppm(成分の8時間限界値のモル加重平均値)で、nPBと比べてほぼ2000倍です。nPBまたはTCEを使用するには、高額な施設のアップグレードや個人用保護具が必要になる場合があります。
精密洗浄と脱脂洗浄でのNovec™高機能性液体の使用について、詳細を確認する
画像はイメージです。
nPBの代替品やTCEの代替品を探している方にとって、新しい洗浄溶剤への移行をできるだけ簡単にしたいと考えています。豊富なNovec™高機能性液体からお客様のニーズに最適なNovec™のソリューションをお選びいただくには、製品サンプルまたは洗浄試験をお申し込みいただくことをお勧めします。
弊社のエンジニアおよび専門家によるチームがご質問にお答えし、サンプルやデータの入手、洗浄試験に関するサポートなどについて、グローバルサポートを提供します。今すぐお問い合わせください。