An orange mesh hero banner

3M™ VHB™ テープに関する FAQ (よくある質問)

製品情報

  • 3M™ VHB™ テープは 1980 年からエンジニアの間で使用されており、金属、プラスチック、およびその他の素材の表面を半永久的に接合・密着することで、生産性、耐久性、外観の向上を図ります。優れた強度に加え卓越した接合力を持つ3M™ VHB™ テープは、機械式接合に代わる手段として、さまざまな素材の結合に広く採用されています。屋内・屋外のサイネージ、建築、家具製造、自動車部品、航空用途などのほか、多種多様な分野で採用され、運用が進んでいます。
  • 本製品の卓越した性能はアクリルコアの特性によるものです。コア部には、非常に粘性の高い液体と弾性を持ちながら、固体のように動作する、という二重の特性があります。この特性を粘弾性と呼びます。「粘弾」特性を持つ接着剤は物質表面の微少なむらに流れ込み、強靱な結合を形成します。この粘弾特性により、テープは物質の表面に生じた動的な負荷を吸収して伸び差を調整し、負荷を最大限分散させることができます。この粘弾特性は -40°C ~ 90°C の範囲内で維持されます。
  • 3M™ VHB™ テープは本質的に粘弾性を有しています。本テープ独自の特長は、エネルギーを吸収して応力を解放させるフォーム部分です。

      

    固形と液状両方の特性を持つことから、このテープは粘弾性を有していることがわかります。

      

    - 固体状:弾力性、強度、フォームの安定性。
    - 液体状:時間、温度、比率、負荷の量に応じた流量。

      

    エネルギーの吸収
    フォームはエネルギーを吸収・消散することで、接合表面の実効的な強度を高めます。フォームによるエネルギー吸収によって高水準の強度 が得られるほか、優れた疲労耐性や、ノイズや振動を抑制する特性を発揮します。

      

    応力の緩和
    フォームは粘性流体を通じて応力を緩和し、表面のボンドラインに応力が長期間生じないようにします。接合物のずれに抵抗するか、相殺させるしかない従来の接合と比較すると、3M™ VHB™ テープは応力を緩和させる作用を持つ弾性構造ですので、熱による膨張や収縮など、接合物で生じるあらゆるずれに適応できるという特長があります。

  • 3M™ VHB™ テープはすべて両面フォームテープです。クローズドセルテクノロジーを採用しており、耐環境特性と耐久性に優れています。アクリルは耐久性の高い化学物質で、長期にわたるエイジング耐性があります。驚くほど強い接合を形成可能で、従来の 両面フォームテープよりも耐久性と柔軟性に優れています。
  • 日光や過酷な環境にさらされても、3M™ VHB™ テープの接合力が大幅な影響を受けることはありません。3M™ VHB™ テープを構成するポリマーには長期のエイジングに耐える特性があります。ポリマーチェーンを形成する化学結合は炭素 - 炭素の単結合で、高温、低温、紫外線などのエネルギーに高い耐性を示すほか、耐薬品性にも優れています。世界各地の屋外デッキで、雨風にさらされた環境におけるテープの長期接合性データを収集しています。こうした耐候性試験の結果、2 ~ 5 年後でも 100 % の接合強度が維持されることが示されています。
  • 元の梱包のまま冷涼・乾燥環境 (理想的な環境は気温 20°C、相対湿度 50%) で保存した場合の保管可能期間は、製造日から 24 か月です。

製品の選定

  • 特殊仕様製品は、特別な用途に対応する特性を持つ製品です。以下の状況における使用に適した製品がお選びいただけます:
    - 高い動的応力を伴う状況
    - 可塑性ビニールなど、塗料やプラスチックに使用する状況
    - 透明テープの使用が求められる状況
    - 0°C から 10°C までの温度環境でテープを使用する状況
    - 粉体塗装や高温への耐久性が求められる部品を接合する 状況

      

    汎用製品は、一般工業用として屋内・屋外でのさまざまな用途に適した製品です。汎用製品はコアが柔らかく、特に表面に起伏があり、密着性が求められる用途に適しています。

  • - 3M™ VHB™ 両面接着テープは全製品強力で、接合性が高く、ほぼすべての金属、ガラス、高表面エネルギープラスチックで高い接着性を発揮します。*
    - 塗料やプラスチック**で高い接合力が必要な場合は、4941、4991、5925、5952、5962、4945 をお使いください。4618、4622、4624 のライナー側は、塗料やプラスチックとの接着性に優れています。
    - 起伏がある表面で十分な接合をご希望の場合、または接合部の密着性が重視される用途では、3M™ VHB™ 汎用テープ、または 4941 か 4991 をお使いください。
    - 柔軟性の高いビニールの接合では耐可塑剤仕様の 4941、4945、4991 をお使いください (注:4618、4622、4624 のライナー側も耐可塑剤仕様です)。

      

    * 高表面エネルギープラスチックには、アクリル、ABS、ポリカーボネート、PVC、ポリエステルポリアミド、ポリイミド、フェノール系プラスチック、ノリル樹脂が挙げられます。
    ** 低表面エネルギープラスチックには、PVA、EVA、ポリスチレン、アセタール、一部の塗料が挙げられます。3Mテーププライマー 94 での下塗りが必要な場合があります。ポリプロピレン、ポリエチレン、EPDM などのプラスチックは表面エネルギーが極めて低く、接着が困難です。プライマー 94 を使用することで、こうした表面での粘着力が向上する場合があります。

  • - 必要となるテープの厚さは、接合する表面の不一致度に応じて変わります。表面の整合性が高いほどテープは薄くなります。一般的に、不一致度に対してテープは厚さの 50% まで適応します (すなわち、テープは不一致度の最低 2 倍の厚さが必要です)。判断が難しい場合は厚めのテープを選び、テープの大部分が接合するよう接着してください。
    - シートや大型の部品を接合する場合、素材の厚さはテープの厚さの 2 倍を超えないようにしてください。たとえば、厚さ 1.1 mm のテープは通常、厚さ 2.2 mm までのシートの接合に使用します。
    - 接合部の熱による膨張や収縮、または移動はテープの厚さの 3 倍を超えないようにしてください。一般的に、長さ 2.4 m のプラスチックは厚さ 1.1 mm のテープで金属と接合できます。

  • せん断 (例: 看板やパネルを壁面に設置する場合) 1 kg の素材を支えるのに必要なテープの量は 55 ㎠、その他については以下をご覧ください:

    標準のテープ幅 テープの長さ
    幅 12.7 mm 430 mm
    幅 19.0 mm 290 mm
    幅 25.4 mm 215 mm

    ここで示したテープの使用量は、VHB™ テープシリーズの各製品特性の違いを考慮し、安全性が確保される係数を加味して算定しています。お客様側から納得の行く結果を提示された場合、この使用量はテープの種類に応じて最大 50% 削減できます。

  • VHB™ テープの最適な使用温度範囲は20℃ ~ 40℃です。VHB™ テープには、低温環境下での利用を想定した特性を有するモデルがあります。

      

    テープの使用環境として推奨する最低表面温度は以下のとおりです:
    16°C: 4936, 4941, 4945, 4991
    10°C: 4611, 4618, 4622, 4624, 4905, 4910, 4915, 4918, 4930, 4950, 4959, 5925, 5952, 5962, 9473
    0°C: 4951, 4957 (表面が高表面エネルギーの被着体限定)

      

    適正にご利用いただければ、一般的に -40 ℃ までの温度環境で問題なく接合できます。