用語集

  • エージング加速試験

    試験室において、自然な経年劣化よりもテープの劣化を加速および促進すること。

  • アクリル酸/アクリル酸塩

    優れたエージング特性をもち、部品粘着剤として使用できる合成高分子。

  • 粘着

    (感圧) 感圧粘着剤と表面の間に生じる結合。
  • 粘着力のビルドアップ

    対象表面への粘着が可能となった時点以降における、粘着テープの引剝し粘着力の増加。
  • 皮膚粘着性試験

    医療用テープまたは医療用粘着剤の皮膚への粘着度を、最大 96 時間にわたり測定する試験。さらに、試験対象材料を皮膚から剥がした後に皮膚に残った材料の残留量も評価される。
  • 粘着剤

    表面へ密接することのみによって 2 つ以上の物を接着する材料。
  • のり残り

    テープから引き離されて、テープが貼られていた表面に残った粘着剤。
  • 粘着剤移行

    巻戻しまたは剥がす際に、粘着剤がテープ上の正常な位置から、テープが貼られていた表面へと移行すること。
  • 基材

    比較的薄く柔軟性のある材料で、この上に粘着剤を塗布する。理論的には、適度に平らで比較的薄く柔軟性のある材料であれば、どのような素材でもテープの基材として使用することが可能。「キャリア」とも呼ばれる。
  • 背面

    粘着剤が塗布されていない面、または粘着面の反対側の面。両面粘着テープの場合は、巻戻し後にライナーと接している面を指す。
  • バックサイズ

    剥離表面またはヒートシール特性を加えるため、テープの背面に塗布された材料。
  • ブロッキング

    粘着剤が基材の背面に接着するために正常な巻戻しが阻害され、テープロールを巻戻せないこと。
  • ナンバー2ボンド

    粘着剤とテープ基材の結合。

  • キャリパー

    テープ、基材、または粘着剤の厚み。一般にマイクロメートル (1 インチの千分の一) 単位で測定される。

  • 塗工量

    テープ製造工程において 1 枚のシートあたりに塗布されたコーティング剤の量。一般には 24 平方インチあたりのグレーン単位で測定される。
  • 凝集力

    粘着剤の引き裂きに耐える力。きれいに剥がれるようにするには、十分な凝集力が必要。
  • コールドフロー

    感圧粘着剤が、時間の経過にしたがって粘性の高い液体のような挙動をする習性。この特性が原因で、のりはみ出しや粘着性の増加といった現象が生じる。
  • 追従性

    凹凸のある表面に貼ったときに、テープがしわや折り目を生じずに表面にぴったりとフィットする、または実質上表面に完全に接触すること。
  • コンバーティング

    ジャンボロールを断裁、短く巻き取る、打抜きなどの方法で最終製品に変換する実作業。
  • 巻き芯

    支柱としてロールの中央に用いられるプラスチックまたはボール紙製の輪。
  • コロナ処理

    粘着力を増加させるために放電照射により表面を改質する処理。
  • カール

    テープをロールから巻き戻し垂れ下がる状態にした時に、テープが自然に反り返る挙動。
  • 層間剝離

    テープの分離または分裂。例えば基材が 2 つの層に分離することなど。
  • 両面粘着

    粘着剤にとっての主な基材である基材の両面に、粘着剤が塗布されていること。
  • ドウェル

    試験開始前に、テープ試料を試験対象の表面に接触した状態にしておく時間の長さ。

  • エッジカール

    貼った後にテープの外周部が剥がれたり持ち上がったりすること。
  • 弾性記憶

    一部のテープ基材がもつ、長さを伸ばした後に元の長さに戻る習性。
  • 伸び率

    (ストレッチ): テープを引っ張った時に、破断する前に伸びた長さのこと。元の長さに対するパーセンテージで表す。
  • 粘着面

    基材のうち粘着剤が塗布されている面。両面粘着テープの場合は、巻戻し後に最初に剥離する面を指す。
  • フィルム

    均一で均質なプラスチックのウェブ。
  • 柔軟性

    テープを自由に曲げられること。

  • フォーム

    天然ゴム、合成ゴムやその他のエラストマー材料などのベース材料内に気泡を作ることによって形成される、柔らかいクッション状の素材。独立気泡と連続気泡のいずれか (気道の構造が異なる)。

  • 異物

    ウェブ中に入った、テープの配合に含まれないあらゆる形状の物質。
  • ギャッピング

    ロールの層の間に隙間がある状態。
  • ハードバンド

    ロールの外側の層にできる、テープの縦方向に走る盛り上がったような膨らみ。通常、基材のキャリパーが不均一であるために生じる。
  • 高ライナー剥離

    ライナーからのテープ剥離が困難、または予測結果を上回っていること。

  • ホットメルト

    (感圧粘着剤): 熱により溶融して基材に塗工し、冷却することで従来の感圧粘着剤になる粘着剤。

  • インストロン

    低速伸張 (CRE) 試験器具の一種。(引張試験器具としても使用される)
  • ジャンボ

    塗工または処理工程から出てきた材料を巻き取った、テープまたは基材の大型ロール。その後、巻替え工程を経る。
  • ハーフカット

    ライナーまたは基材は打ち抜かずに材料のみを打ち抜くようカッターを調整するタイプの打抜き。
  • LAB

    低接着性バックサイズの略称。
  • ラミネート

    2 種類以上の材料を積層して組み合わせること。

  • 浮き

    外的ストレスを与えていないにもかかわらず、テープの一部が貼り付けた表面から剥がれてくる現象。
  • ライナー

    使用前に粘着剤が露出しないよう保護するために用いられる、剥離コーティングが施された紙またはフィルム。
  • 低ライナー剥離

    ライナーからのテープ剥離が容易、または予測結果を下回っていること。
  • メモリー

    繊維やテープが、ストレスを加えたり伸ばした後に元の形状に戻る力。
  • 可塑剤移行

    軟質塩ビ等に含まれる可塑剤がテープの粘着剤に移行すること。可塑剤が移行した粘着剤は柔らかくなり、剥がすときにのり残りを起こしやすくさせる。

  • モノマー

    同一の官能基または他の官能基と結合し、より複雑な化合物 (ポリマーと呼ばれる) を形成する能力のある官能基を有するシンプルな化合物。

  • 不織布

    紙、ちり紙やポリエステルなどの合成材料でできた不織布。

  • 閉塞性

    湿気を通さないこと。

  • ウージング

    ロールの側面から粘着剤が「はみ出す」こと。これによりエッジのべたつきが生じたり、多くの場合エッジ転写の原因となる。通常、巻き圧力が過度に高いことが原因で起こる。
  • 不透明度

    テープが光の透過を防ぐ力。
  • ピーキング

    テープの巻かれている外周の層に大きな隆起が 1 つある状態。
  • 粘着力

    テープを基準速度および条件下で引き剥がす際に、テープと被着体表面の間にある結合を破壊するのに要する単位幅あたりの力。単位はインチ幅あたりオンスで表す。
  • 通気性

    空気を通すこと。

  • ピッキング

    隣接する基材に少量の粘着剤が付着すること (「のり剝がれ」を参照)、または巻き戻しの際にバックサイズ (色付きまたは LAB) のごく一部が局所的に剥がれること。

  • ピンホール

    光、湿気や電流などの通り道となる、非常に小さな穴。
  • ポリコート

    ポリエチレンフィルムの層で覆う処理。粘着剤のライナー用途の場合、通常は液状で紙に塗工される。
  • ポリエチレン (PE)

    高い強度と伸縮性をもつフィルムで、低温度特性に優れている。
  • ポリエステル (PET)

    高い強度をもつ非伸縮性のフィルムで、湿気、溶剤、油脂、腐食剤やその他化学製品への耐性に優れている。
  • ポリマー

    比較的小さな化合物の繰り返し単位で構成された大型の分子。粘着テープでは粘着剤に使用される。

  • ポリオレフィン

    一般にポリエチレンやポリプロピレンなどのレジン族を総称する用語。
  • ポリプロピレン

    ポリエチレンと同族で、ポリエチレンと似た特性をもつが、より高い強度と温度耐性を有する。
  • ポリ塩化ビニル(PVC)

    通常は薄い透明なフィルムで、酸類、水および有機溶剤への耐性に優れる。一般には柔軟性を付加するため、移行性の可塑剤と共に配合される。

  • 多孔性

    液体またはガスに対する表面 (テープ基材) の透過性、またはフォームなどの素材内の空隙の割合。
  • 感圧

    一般に、粘着テープおよび粘着剤のうち特定の分類として用いられる用語。室温で強力かつ永久的な粘着性をもち、指や手で押さえる以上の圧力を必要とせずに、接触するだけでさまざまな異種材料に強く接着する粘着テープおよび粘着剤を指す。
  • 感圧型粘着テープ

    感圧粘着剤と基材を組み合わせたもの。
  • プライマー

    粘着剤やその他コーティングと基材の間に塗工する、相容れない 2 つの材料を固定する材料。
  • 印刷特性

    テープが表記印刷を受け付け保持するとともに、印刷後にロールを巻き戻した際に印刷のずれを生じない力。
  • タック

    感圧粘着剤のもつ、ごく軽い圧力で表面に接着する特性。被着体表面が粘着剤によって濡れる速度によって測定される。

  • 剥離コーティング

    巻き戻しやすくし層間剝離や破れを防ぐために基材の粘着剤が塗布されていない側の面に塗工されるコーティング。または、剥離ライナー作成のためにフィルムまたは紙に塗工されるコーティング。

  • 剥離ライナー

    テープの粘着面を覆うウェブまたはシート状の材料。テープの貼付前に剥がす。
  • 耐久性

    貼付後にテープがさまざまな条件下での使用に耐え、十分な性能を発揮する力。

  • せん断力

    テープが、基材と同一平面に加えた静力学的力に耐える力。通常、垂直試験板で測定される。
  • 片面粘着

    基材の片面にのみ粘着剤が塗布されていること。
  • ストリーク

    塗工装置やホッパーの開口部の何らかの詰まりが原因で、コーティングを塗工したウェブ上に機材処理方向に沿ってできる、塗工量が薄い部分または粘着剤が含まれない部分。
  • 粘着性

    ベタつきや強い粘着力を感じる粘着剤の状態。感圧の説明に用いられる場合がある。
  • テレスコーピング

    テープの各層が斜めに重なりながら片側にスライド変形し、ロール全体が椀状に見える状態。
  • 引張強さ (TS)

    テープ試料を両側から引っ張った場合の、破断に要する力。
  • 透明性

    テープが光を透過する力。
  • ウェブ

    テープ製造工程に使用される、1 枚に長くつながった材料シート。
  • シワ

    テープロールの表面にできた細かい隆起や溝のことで、しばしば切断後にロールのエッジがギザギザになる原因となる。