クリンプロ™ クリーニング ペースト PMTC用を上手にもちいるために

クリンプロ™ クリーニング ペースト PMTC用を上手にもちいるために

  • クリンプロ™ クリーニング ペースト PMTC用

    クリンプロ™ クリーニング ペースト PMTC用は、クリーニングから仕上げまでカバーできる、便利なワンペーストタイプです。
    しかし、臨床成果に結びつけるためには、使用方法を正しく把握しておく必要があります。
    本コンテンツでは、クリンプロ™ クリーニング ペースト PMTC用の性能をフルに活かして効果的に使用していただくため、臨床例を用いながら解説していきます。

【Point.1】仕上げ研磨は、崩壊後の細かい研磨粒子を利用し確実に実施しましょう。

・研磨時間と共に崩壊した粒子を用い、仕上げ研磨を行います。

・崩壊前の粒子が含まれる新たなペーストの追加は控えましょう。

【Case.1】ステイン・歯石・プラークが少なく歯質強化を推奨するケース

清掃状態が良好なケースでは、仕上げ研磨に重点を置いたPMTCを行います。また、歯質強化を目的としたセルフケアを推奨しています。

  • PMTC前の状態
    PMTC前の状態

    30歳 女性
    定期メンテナンス受診者
    清掃状態は良好。但し、歯面の光沢が失われている。

  •  STEP 1.
    STEP1.

    歯面にペーストを塗布し、清掃状態がよければ最初からラバーカップでスタートします。研磨粒子が崩壊するまで1歯あたり15秒程度を目安にコントラを1歯ずつ1方向に進めます。
    (回転数 500~1,000ppm)

  • STEP2.
    STEP2.

    ペーストが白っぽく変化してきたら、余剰なペーストはバキュームで吸引して、粗い粒子を排除するのがポイント。
    この時、歯面には細かくなったペーストが一層残ります。

  • STEP3.
    STEP3.

    ラバーカップ内部からペーストが逃げないように、歯面に密着させながら1歯ずつ仕上げ研磨をします。この時、ペーストは追加しません。

  •  PMTC後の状態 STEP 4.

    PMTC後の状態
    STEP4.

    水洗・乾燥し、PMTC後の状態を確認します。
    歯面に光沢感と滑沢感がみられた。
    セルフケアでは、クリンプロ™ 歯みがき ペーストを提案。

  • 写真提供 : 加藤 正治 先生(東京都ご開業)

セルフケアもおさえよう!!

定期メンテナンス、ホワイトニング、う蝕などの症例には、エナメル質の硬度回復、耐酸性向上などの歯質強化を目的とした健康増進のためのケアを提案しましょう。

  • クリンプロ™ 歯みがき ペーストには、歯質強化に有効な成分fTCPとNaF(フッ化ナトリウム)が含まれています。セルフケアでは、クリンプロ™ 歯みがき ペーストを継続使用することで、PMTCとの相乗効果を期待します。



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  • クリンプロ™ 歯みがき ペースト

【Point.2】ステインは、崩壊前の研磨粒子を利用し効率的に除去しましょう。

・ペーストの研磨粒子は崩壊型です。新たなペーストをこまめに追加することで崩壊前の粒子を利用できます。

・ハードタイプのカップやブラシを使用するなど、器具の選択によっても清掃力を高めることができます。

【Case.2】ステインや歯石が沈着した清掃不良による歯肉炎のあるケース

ステイン沈着や歯肉炎のあるケースでは、使用器具の選択やペースト塗布の仕方を工夫します。研磨力をコントロールして歯質や歯肉へのダメージを抑えながら、実施しましょう。

  • PMTC前の状態
    PMTC前の状態

    17歳 女性
    ステインが沈着し、歯肉炎がみられる。

  • STEP1.
    STEP1.

    ステインが落ちるまでペーストをこまめに追加しながら丁寧に研磨します。歯肉を傷つけないようにカップ形状のソフトブラシを使用。
    (回転数 500~1,000ppm)

  • STEP 2.
    STEP2.

    口蓋側は、凹凸が大きくラバーカップでは歯面にフィットしないため、フラット形状、カップ形状、ポイント形状のブラシを使い分けるとよいでしょう。

  • STEP3.
    STEP3.

    ステインが落ちたら余剰ペーストは吸引します。仕上げ段階では歯肉を傷つけないやわらかいラバーカップを使用。ペーストは追加せずに1歯ずつ1方向にコントラを進めます。

  • PMTC後の状態 STEP 4.

    PMTC後の状態
    STEP4.

    水洗・乾燥し、PMTC後の状態を確認します。
    ステイン・プラークの除去が確認された。セルフケアで歯肉炎が消退したら、再度PMTCを予定。

写真提供 : 加藤 正治 先生(東京都ご開業)

こんなときは?

ステイン沈着や歯肉炎のあるケースでは、使用器具の選択やペースト塗布の仕方を工夫します。研磨力をコントロールして歯質や歯肉へのダメージを抑えながら、実施しましょう。

  • 歯石の上に沈着したステインはスケーラーで落とします。
    歯石の上に沈着したステインはスケーラーで落とします。
  • 厚みのあるステインは大きめのエキスカなどでそぎ落とすようにします。
    厚みのあるステインは大きめのエキスカなどでそぎ落とすようにします。

【Point.3】歯面の状態が分かりにくい場合は、不用意なペーストの使用を控えましょう。

・バイオフィルムの下には比較的やわらかい白班や充填用コンポジットレジンなどが隠れている場合があります。

・落とせる汚れを先に除去し、歯面のコンディションを確認のうえ、必要に応じてペーストを用い、研磨を行います。

【Case.3】プラーク・バイオフィルムが付着し、歯面の状態がわかりにくいケース

プラーク・バイオフィルムの下には、初期う蝕や充填されたコンポジットレジンが隠れている場合があります。

必ず歯面のコンディションを確認してから研磨ペーストを使用します。

  • PMTC前の状態
    PMTC前の状態

    44歳 男性
    歯面がバイオフィルムで覆われている。

  • STEP1.
    STEP1.

    歯垢染色液に染まった部位は、ペーストを使う前にサブソニックブラシ(振動エアスケーラー接続型ナイロンブラシ)などで清掃します。

  • STEP2.
    STEP2.

    水洗後、初期う蝕や充填されたコンポジットレジンの有無をチェック。もう一度、染色して染まる部位を確認します。(左上1番はコンポジットレジン表面が劣化して染色)

  • STEP3.
    STEP3.

    バイオフィルムの除去には、かき取る効果が高いブラシを選択。必要に応じてラバーカップで仕上げ研磨をします。

  • PMTC後の状態 STEP 4.

    PMTC後の状態
    STEP4.

    水洗・乾燥し、PMTC後の状態を確認します。バイオフィルムが除去され、エナメル質に光沢感がみられた。左上1番のコンポジットレジンは、再研磨が必要。

写真提供 : 加藤 正治 先生(東京都ご開業)

こんなケースは要注意!!

若年者のプラーク下には、初期う蝕の白斑が隠れている場合があります。幼若永久歯の歯肉縁からわずかに離れた歯頸部付近や隅角部に出現する傾向があります。

  • プラスチックキュレットや手用ブラシ、音波歯ブラシなどで優しくプラークを除去。
    プラスチックキュレットや手用ブラシ、音波歯ブラシなどで優しくプラークを除去。
  • 白斑(ツヤのない進行性の白濁)が確認できたらエナメル質表層を破壊しないように研磨材の使用はひかえ、再石灰化を促します。
    白斑(ツヤのない進行性の白濁)が確認できたらエナメル質表層を破壊しないように研磨材の使用はひかえ、再石灰化を促します。

販売名:クリンプロ クリーニング ペースト PMTC用  届出番号:13B1X10109000259

販売名:クリンプロ トゥース クリーム s(ソフトミント フレーバー)、クリンプロ トゥース クリーム c(シトラスミント フレーバー)(医薬部外品)