硬化後、印象の撤去を容易にするために、あらかじめ印象採得前にアンダーカット部分をブロックアウトすることをお勧めします。ユーティリティーワックス、寒天印象材や水硬性仮封材を使用することが出来ます。
ヘビーボディ印象材をトレーに盛る際には、必要量を超えて多く盛り過ぎると、余剰な印象材が咽喉に流れやすくなり、印象面に気泡を取り込んでしまう可能性があります。ヘビーボディ印象材をトレーに盛りつけたら、スパチュラを用いて余剰な印象材を除去し、適切な形体に成型するのは良い方法です。(右写真)
理想的な印象材の断面はコーンケーブ状(凹)です。
コンベックス状(凸)になるほど盛り上げるのは好ましくありません。
口腔内保持時間が経過して印象材が口腔内で硬化したら、印象と歯肉頬移行部の粘膜のすき間(小臼歯部分)にシリンジにてエアーを注入しながらトレーを浮かせるように力を加えます。このとき、エアーのかわりに少量の水をすき間に入れるのも良い方法です。
すき間を広げるようにしてトレーに力を加えると、このすき間から印象面に添って空気や水が入って吸着が外れ、トレーの後方が少し浮き上がります。
次に前歯の歯軸方向にトレーを引っ張り、印象トレーを口腔内から取り出します。石膏模型を印象トレーから取り出す場合も同様に、最終的に前歯歯軸の方向に撤去することによって前歯の石膏模型の破損を防ぎます。