次世代の歯科材料

審美の時代でさらに需要が増すオールセラミッククラウン


歯科治療における患者さんの最大のニーズは、今や「審美」がキーワードになっています。女性誌やファッション誌でも「審美歯科」が特集され、口元の自然な美しさに対する関心は高まるばかりです。

そんな中、前歯部の修復はもとより、臼歯部においても、メタルではない「白い」修復物である、オールセラミッククラウンへのニーズは、より高まってきていると言うことができるでしょう。

また、もうひとつ現在の患者さんたちの大きな関心事である安全性の問題からも、メタルフリーでイオン溶出の少ないセラミックスは、非常に有効な選択肢であると言えます。さらに強度を増したジルコニアの応用により、その流れがさらに加速することは間違いありません。

より自然に、より強固に進化してきたセラミックスの歴史


オールセラミッククラウンの歴史は古く、2世紀以上前から陶製の補綴物が治療に用いられてきたと言われています。その後様々な研究開発を経て、19世紀末にポーセレンジャケットクラウンが実用化されています。

その後1950年代に強度を金属によって補完したメタルボンドポーセレンとなり、現在でも幅広く応用されています。

1980年代にキャスタブルセラミックが開発されましたが、主に強度の問題から、幅広い臨床応用に至っていないというのが現状です。しかし、今回金属より強度の高いジルコニアのフレームが実用化され、ついに本格的なオールセラミッククラウンの時代が始まったと言えるのではないでしょうか。

初期強度

4歯ブリッジにおいても、前歯部で400N、臼歯部で600Nと想定される最大咬合力の2~3倍の強度を示しています。

アーヘン(Aachen)大学のDr. J. Tinschertにより確認。