アーバンモビリティとは、道路の安全性とモビリティを向上させるための3Mの役割

未来の都市

拡大する都市部でより安全な道路をつくる。

  • アーバンモビリティの課題:交通渋滞、限られたスペース、リソースなど

    世界中で、都市部の人口は1950年の7億5100万人から2018年には42億人に増加しました。これは、世界の総人口の約55%です。予測によると、2050年までに世界人口の最大68%が都市部に住むようになり、都市の人口が25億人増えると言われています。

    都市化は、電力、インターネット、その他のテクノロジーへのアクセス、より効率的なリソース共有、仕事や教育、経済機会へのアクセスなど、世界中の人々に大きなメリットをもたらします。しかし、70億人近くの人々が都市部で空間を共有しているため、シティプランナーたちは大きな課題を目の前に抱えています。人はどこに住むのでしょうか?人口の増加に伴い、必需品へのアクセスをどのように保証し続けるのでしょうか?人はどのように移動するのでしょうか?

    都市が拡大し続けるにつれて、この最後の質問に対する答えを見つけることがますます重要になってきます。都市部の人口が増えるということは、移動手段を必要とする人が増え、道路や歩道を共有する人が増え、公共交通機関への需要が高まることを意味します。ここでは、特に注意すべき点をいくつか紹介します。

  • 交通渋滞

    都市部に住んでいる人であれば、すでに交通量が多く、道路に負担がかかっていることがわかるでしょう。この問題に対処しない限り、都市人口の増加に伴い、交通渋滞は増加し続けるでしょう。交通渋滞のコストはかなりのものです。最も混雑している米国内の15都市では、通勤者は「2017年に平均83時間を交通渋滞に費やした」といいます。別のレポートによると、交通渋滞に巻き込まれることで、米国の平均的な通勤者は、1,010ドルの生産性の低下と21ガロンの燃料を消費しています。これは、年間1,660億ドルの生産性の損失と33億ガロンの燃料の消費に相当します。このように空費される燃料は、経済への損害に加えて、排出ガスの増加、汚染の拡大、都市部の市民の健康や生活の質の低下につながります。


  • 交通安全

    都市部では人口の増加に伴い、交通事故や死亡者数が増加しています。2009年以降、都市部での死亡者数は34%増加しました。2018年に米国で死亡した歩行者は6,227人で、そのうち74%が都市部で発生しています。そして世界健康安全保障アジェンダ(Global Health Security Agenda:GHSA)の調査では、2019年に歩行者の死亡者は6,590人に増加すると予測されていました。

    これらの統計は、明確な、しかし悲惨な状況を示しています。都市部での移動は、特に歩行者、自転車、オートバイなどの交通弱者にとって危険な場合があります。より多くの人々が道路を共有するにつれて、危険はより顕著になります。


  • 交通機関の公平性

    人口の増加に伴い、シティプランナーは、年齢、性別、社会経済的地位にかかわらず、すべての市民がアクセス可能であり、かつ手頃な価格の便利な交通手段を提供する方法を見つける必要があります。交通機関の公平性は、将来いくつかの形をとる可能性があります。これについては次のセクションで詳しく説明します。


アーバンモビリティへの新しいアプローチ

  • 自転車で通勤するスーツ姿の男性

    歴史的に見て、都市部での主な交通手段は、自家用乗用車、公共交通機関、自転車や徒歩でした。これらの従来の交通手段ではすでに、ドライバーと交通弱者との間に複数の問題が生じていました。

    都市部の成長に伴い、都市の設計者、プランナー、交通技術者は、より多くの人々がアクセスできる交通手段を提供するために、革新的な方法をみつける必要があります。ライドシェア、マルチモーダル交通、キックスケーター、電動自転車、原付自転車などのマイクロモビリティ車両、路面電車やその他の公共交通機関の増加などの形で、これらの新しい交通手段のいくつかが既に道路上で見られるようになっています。今後、自動運転車の技術が進歩するにつれて、都市部で人々を輸送するバスや電車、タクシーなどの自動運転化が進む可能性があります。

    新しい交通手段が導入されるにつれ、それらに対応する道路を設計および建設し、安全かつ効果的に道路を共有できるようにする必要があります。


都市の安全性の向上

  • 3Mの交通安全製品リストと、それらが都市部の交通安全の改善にどのように役立つかについての詳細はこちら

    安全で効率的な都市部の道路を設計、建設することを目指す場合、都市部での交通事故死を減らす、更にはゼロにすることは実現可能、という考え方で問題に取り組む必要があります。Vision Zero NetworkToward Zero DeathsNational Complete Streets Coalitionなど、いくつかの著名なグループがこの目標に向かって取り組んでいます。

    これらのグループは、シティプランナーと交通技術者に、衝突、負傷、死亡を減らす安全対策を取り入れながら、完全な道路(すべての人が安全でアクセスできる道路)を設計するよう求めています。ここでは、都市部の交通安全を改善するためのいくつかの推奨事項を紹介します。


  • より安全な道路の設計

    都市部の交通安全の改善は、脆弱な道路利用者の視認性を高め、交通静穏化(トラッフィック カーミング)戦略を実施し、さまざまな交通手段間の摩擦を減らし、すべての旅行者がさまざまな状況を安全にナビゲートできるようにする、より寛容で直感的な道路を設計することから始まります。米連邦道路局(The Federal Highway Administration:FHWA)は、交差点に専用の左折車線と右折車線を設置する、横断歩道の視認性を高めるために交通安全施設を活用する、道路標識や路面標示に再帰性反射材を使用するなど、これらの目標を念頭に置いてさまざまな安全対策を提案しています。

    都市部では、車線削減(ロードダイエット)が交通安全に大きな影響を与える可能性があります。通常、ロードダイエットでは、4車線の道路を2車線にして、中央に右左折共用の車線(ミドルターニングレーン)を設けます。4車線の道路(もともとは増加する車両交通に対応するために建設されたもの)には、次のような安全上の課題があります。
     

    • 右折および左折車両の追突事故
    • 頻繁に車線変更する車両
    • スピード違反の車両
    • 自動車と自転車がスペースを共有するエリアでの自転車事故
    • 複数の車線を横断する際の歩行者事故

    車線の数を減らすと、視認性の高い交差点、保護された自転車レーン、および視認性が向上する中央ブロック横断歩道のためのスペースを生み出せます。ロードダイエットを他の対策と組み合わせると、安全性に大きなメリットがあり、事故を19〜47%減少させることができます。


交通安全施設

  • 道路標識や道路鋲などの3Mの交通安全施設は、道路の安全性を向上させるのに役立ちます。

    道路標識、路面標示、道路鋲と防護壁、車両の反射マークなどの交通安全施設は、都市部の道路安全を促進する上で重要な役割を果たしています。都市部の道路の交通安全施設を効果的なものにするために、覚えておくべきいくつかの重要な特徴があります。


  • 道路標識

    道路標識は重要な情報を伝えるもので、ドライバー、歩行者、自転車の意識と信頼を高めるのに役立ちます。視認性は道路標識の最も重要な特徴であり、視認性を確保するための最良の方法は、再帰反射性能の高い蛍光シートを使用することです。

    蛍光体は目に見えない紫外線を可視光に変換し、シートから放出される光の総量を増やします。これにより、ドライバーは非蛍光標識よりも遠くから蛍光標識をより正確に見ることができるという研究結果が出ています。

    再帰性反射シートは、光源の位置に関係なく、制御された円錐状に、ドライバーに光を反射するように設計されています。これにより、昼でも夜でも、雨の日でも晴れの日でも、さまざまな状況下で標識の視認性が向上します。進歩した最新の再帰性反射シートは、100%効率のフルキューブプリズム技術を使用して、他のタイプのシートよりもはるかに多くの光をドライバーに反射します。


  • 路面標示材

    路面標示は、ドライバーや二輪車利用者が自分の車線を確認し、車両位置を適切に維持するのに役立ちます。これは、ドライバーが交通弱者と道路を共有している状況では非常に重要です。道路標識と同様に、路面標示は、夜間、夜明け、夕暮れ、雨が降っているときなど、さまざまな状況で視認性を確保する必要があります。

    一般的な再帰反射路面標示材にはガラスビーズが埋め込まれており、光を直接ドライバー、自転車、歩行者に反射して、昼夜を問わず視認性を高めています。

    再帰反射ガラスビーズは水に影響を受けるため、雨などに濡れた状態では、路面標示を確認するのが困難になる可能性があります。進歩した、湿潤時反射性能を有する全天候型路面標示材は、このような悪条件下での視認性向上に役立ちます。


  • 道路鋲と防護壁

    道路鋲や防護壁は、保護された自転車専用レーン、延長された横断歩道、歩行者ゾーン、接近中の横断歩道、左折レーンなどの目印になります。効果を発揮するためには、誰もがそれらを確認することができる必要があります。再帰性反射シートまたは3M™ 線形視線誘導標ウェーブ・ライト・ラインHGをこれらの交通安全施設に貼付することで、視認性を向上させることができます。蛍光色の再帰性反射シートは、さまざまな状況下での視認性を最適化するのにうってつけです。


  • 車両向け反射材

    車両、特にバス、セミ、作業用トラックなどの大型車両に反射マークを付けることで、これらの車両の視認性が向上し、衝突事故を防ぐことができるという研究結果があります。コンスピキュイティ反射材の利点は、自動車だけではありません。自転車による死亡事故が増加しているため、最新のレポートでは、自転車の視認性を高めるために反射材を使用することが推奨されています。


より安全な都市道路の建設を支援する

  • 交通安全製品のメーカーやサプライヤーへのアクセスについては、3Mにお問い合わせください。

    3Mは、80年以上にわたり、道路の安全性とモビリティを向上させるインフラストラクチャーソリューションを設計してきました。都市部の人口密度が高まり、都市中心部の利点を活かそうとしている今、私たちはシティプランナーや交通技術者と協力して、都市部の道路の未来を再考したいと考えています。

    私たちは、政府機関や地方自治体、交通安全推進団体、業界のリーダー、その他の関係者と協力して、都市部の道路での交通事故死をゼロにするという共通の目標に向けて取り組み、すべての移動者にとって完全で安全な道路を構築するのに役立つ交通安全施設を設計することにより、その役割を果たしています。