エンジニアリングプラスチックは、金属よりもデザインの自由度が高く、複雑な形状に成形できます。 それぞれ異なる特性を持ち、幅広い温度域で使用できます。 耐久性が優れているため、様々な気象条件や紫外線にさらされる用途に使用できるだけでなく、高い疲労耐性を持っています。
エンジニアリングプラスチックが金属材料に勝る最大の特徴は、一定の性能特性を維持しつつ、軽量化できることです。 エンジニアリングプラスチックではコストも削減できますが、それは、原材料のコストを抑えられるというだけではありません。 プラスチックは複雑な形状に成型加工できるため、金属材料で必要になる打ち抜きや穿孔、曲げなどの加工費が発生しません。 プラスチック製の形材は、必ずと言えるほど、金属製のものよりも軽くなるため、輸送費も削減できます。
エンジニアリングプラスチックの接合に最適な接着剤とテープをいくつかご紹介します。 以下のリンクから、各テクノロジーの詳細をご覧ください。
3M™ VHB™ テープなら、外観に影響する接合方法に替わり、経時で強度が増していく、耐久性の高い接合をすばやく容易に実現でき、製図でイメージしていたとおりの建造物を建築できます。 多様な材料を接合できるため、思い付く限りほぼどのようなデザインにも対応できる、自由度の高い接合ソリューションとしてご利用いただけます。
3M™ Scotch-Weld™ 構造用アクリル接着剤は、硬化時間が短く、美観を向上できる、強度と耐久性の高い接着を実現し、生産性と性能を高めます。 この強力な接着剤は耐衝撃性に優れ、臭いの少ないタイプや、常温保管でライフの長いタイプもあります。
3Mホットメルト接着剤は費用対効果が高く使いやすい接着剤で、流動性がよく、粗い表面のあらゆる凸凹を埋めることができます。 ホットメルトは、エンジニアリングプラスチックを他の被着体に接着する用途で非常に効果的で、看板やコンテナ、エッジモール、トリムによく使用されます。
両面粘着テープは、両面に粘着剤を塗工した薄いテープです。 平滑な表面に最適で、コンピューターやスマートフォン、フラットスクリーンテレビ、コントロールパネルの表面などのダイカット成形品など、アタッチメントやガスケット用途によく使用されます。
着脱可能なファスナーは、点検口やエレベーターの内装、車のダッシュボードなど、部材を繰り返し設置・取り外しする必要がある状況で使用されます。
組立のタイプ、被着体、必要な接着強度など、組立についての基本的な条件を入力してください。 [結果を表示]をクリックすると、入力された条件を基にお勧めの3Mのテープと接着剤が表示されます。
表面エネルギーは、接着剤が密着するかどうかを決める、材料表面の物理特性です。 表面エネルギーの高い材料では、液体が表面に広がって表面をぬらします。表面エネルギーの低い材料では、液体は流れず、弾かれます。 接合を得るには、被着体が接着剤によってぬれる必要があります。 エンジニアリングプラスチックは、その他のプラスチックよりも比較的表面エネルギーが高いため、優れた接着性を持ちます。 表面処理によって表面エネルギーをさらに向上できる可能性がありますが、表面処理が必要になる用途は多くありません。
プラスチックの種類ごとに、独自の特性があります。 ここでは、主な種類とそれぞれの接着特性について簡単にご紹介します。
複合材は、補強繊維や補強織物と樹脂で構成されるプラスチック材料です。 補強繊維には、通常、ガラスや炭素繊維が使われ、樹脂はポリエステルかエポキシが使われます。 重量が軽い割に強度が高いため、航空機や電子回路基板、高性能スポーツ用品の用途に最適です。 通常、接着性は悪くありませんが、樹脂と実際の用途の要件の両方に適した接着剤を選定することが重要です。
ポリカーボネートは、高い強度と耐久性を備え、透明で、耐熱性が非常に優れ、容易に押出成形、成型、熱成形ができるため、さまざまな用途に使用されています。 ポリカーボネート自体は表面エネルギーが非常に高いものの、傷防止コーティングが施されることが多いため、接着剤の選定は複雑になる可能性があります。
繊維や織物原料として一般的なナイロンは、高い強度、耐久性、耐熱性を備えており、自動車部品や電子部品で頻繁に利用されている材料群です。 ナイロンは、プラスチックとしては比較的表面エネルギーが高いものの、種類によって接着要件は異なります。また、離型剤が特に問題になる可能性があります。
ABSはアクリロニトリル、ブタジエン、スチレンの三元共重合体で、優れた耐久性と耐衝撃性を発揮します。 容易に成型でき、消費財に幅広く使用されています。 通常、ABSの接着性は良好ですが、グレード(3つのモノマーの配合比率の違い)により表面エネルギーは異なります。
透明で防砕性があり、成形や切削加工が容易なPMMAアクリルは、ガラスに替わる材料として広く使用されています。また、看板にもよく使用されます。 アクリルの接着性は良好ですが、傷防止コーティングが問題になる可能性があります。
ほとんどのポリウレタンは、加熱により溶解しない熱硬化性ポリマーですが、熱可塑性ポリウレタンも存在します。 ウレタンは、クッションやガスケットシールなど、フォーム製品やゴム製品の材料として広く使用されています。また、ウレタン系接着剤の原料でもあり、比較的高い接着性を持ちます。
成形が容易で、繊維、織物、フィルム、ボトルとして普及しています。電気・電子部品への応用や、複合材の製造でも広く使用されています。 ポリエステルは比較的高い表面エネルギーを持ちますが、ポリエステル/ファイバーグラス製の艇体にゲルコートが塗工されているなど、特定の用途では接着に特別な考慮が必要になります。
硬質塩ビは、ビニールとも呼ばれ、排水管、排水溝、ドア、窓枠、サイディング、クレジットカードなどに使用されており、比較的良好な接着性が得られます。 軟質塩ビは硬質塩ビより接着性が低くなります。両者は混同されることがあるため、被着体がどちらか、正確に区別することが重要です。
最適なパフォーマンスの接着剤を選ぶには、通常、接着・接合・組立の種類を考慮することが有効です。 以下の6つの接着・接合・組立の種類のそれぞれに設計特性があり、多くの場合、それらが最適な接着剤やテープを選ぶ決め手になります。
精密、迅速な加工で、高い強度を発現できる接着接合製品を、革新的な製品作りにご活用ください。 3Mのエキスパートが、お客様に最適なソリューションをご提案し、耐久性に優れた接合実現のお手伝いをいたします。