性能に影響する接着のメカニズムの1つ1つについて、接着の研究者は接着剤の強度を調べ、特定用途での性能を評価しています
ある特定の接合の「付着仕事量」を測定することで、接着接合された組立の強度を評価できます。これを測定する最も一般的な方法は、接着剤を引き離すことです。接合を引き離すために必要な力から、特定の用途における接着剤の性能を把握できます。
接着力は、接着剤と被着体間の界面接着の強さで決まり、通常は、強力な接合設計を考える際に、最も重要な検討項目になります。しかし、効果的な接合を生じさせるうえで欠かせない要素は、以下に述べるように接着力だけではありません。ただし、例え世界で最も強固な接着剤を使用したとしても、接着剤が被着体の表面に接合していなければ、やはり接着できません。
凝集力は接着剤の内部強度であり、応力下で接合を維持する接着剤の性能を表します。凝集力が高くなるほど、接着剤の強度も上がります。凝集力は、接着剤の化学組成によって決まります。接着剤の強度は、感圧接着剤から構造用エポキシ接着剤やアクリル接着剤まで、かなりの幅があります。
接着接合部にかかる応力の種類を考慮することが重要です。一般的な応力には、せん断、割裂、剥離、引張があります。実際の用途で受ける応力の大きさや頻度を把握することは、目の前の仕事に最適な凝集力をもつ接着剤を選ぶうえで役立ちます。
表面エネルギーは、接着剤が密着するかどうかを決める、材料表面の物理特性です。表面エネルギーの高い材料では、液体のぬれがよい、つまり、表面に広がります。表面エネルギーの低い材料では、液体は流れず、弾かれます。接合を得るには、被着体が接着剤によってぬれる必要があります。
適切な接着剤を選ぶには、接合で使われるすべての被着体の表面エネルギーと、各被着体での接着剤のぬれ性のよさを把握することが重要です。接着剤の中には被着体の洗浄を必要とするものがあり、表面の清浄性も考慮する必要があります。
強力で実質的に目に見えない3Mの工業用テープおよび接着剤は、さまざまな用途と被着体に使用できます。