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医療関連機器圧迫創傷対策

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  • 北里大学看護学部 准教授
    北里大学病院 看護部
    がん看護専門看護師
    皮膚・排泄ケア認定看護師
    松原 康美 先生

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MDRPUへの意識が向上したことで、医療関連機器を装着する前にアセスメントし、対策を実践できるようになる

様々な医療関連機器が使用されるようになり、全圧迫創傷のうち医療関連機器によってできる圧迫創傷は、急性期病院で10 ~ 20%、小児病院では50%と言われています。医療関連機器圧迫創傷(以下MDRPU)について日本褥瘡学会から、組織で取り組む、アセスメント、適切な除圧という指針が出され、各病院で取り組まれている事と思います。今回は、北里大学病院での取り組みについてお話を伺いました。


※2013年日本褥瘡学会実態調査より

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アセスメント

―MDRPU対策に取り組んだきっかけは何ですか?

当院は、特定機能病院、救命救急センター、災害拠点病院、地域がん診療連携拠点病院として地域の中核を担う急性期病院です。急性期に特化した、多種多様な医療関連機器が使用されています。一人の患者さんに複数の医療関連機器を使用する場合が多いこと、容易に外すことができないこと、長期的に装着するケースが多いことからMDRPUの発生が散見されていました。MDRPUは治療の有害事象ともとらえられ、予防に限界はあるものの、看護師として患者さんの苦痛を軽減するためにできることはないかと考えるようになりました。また、当初はMDRPUを褥瘡に含めて集計しており、データを分析した結果、MDRPUの割合が高かったことも対策に取り組むきっかけになりました。そこで2012年よりMDRPUの予防対策を目標にあげ、褥瘡対策チームで取り組む事になりました。

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―院内でのMDRPU発生は、どの医療関連機器で多いですか?また、どの部位での発生が多いですか?

過去5年間のデータ集計から最も多かった機器は、末梢の静脈および動脈ライン、経鼻チューブなどのルート類でした。次いで、NPPVマスクなどの呼吸管理関連機器でした(図3)。発生部位は、使用している機器に付随しますが、上肢、下肢、顔、頭が比較的多いです(図4)。褥瘡は身体の後面に発生しやすいのに対し、MDRPUは身体の前面に発生しやすいと考えています。とくに四肢や顔は、浮腫、発汗、患者さん自身の動きがMDRPU発生の引き金要因になることもあります。

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組織で取り組む

―データ分析から院内全体に対策を周知徹底させる為、どのような教育を行いましたか?

褥瘡リンクナース会でMDRPU についての勉強会を開催した後、機器別のグループワーキングを行いました。どのような機器が多いか、どの部位に発生しやすいか、日々の観察やケアで困っていることや問題になることは何か、どのような対策が必要かを1年間かけて検討し、グループごとに発表して共有しました。このプロセスをとおして褥瘡リンクナースのMDRPU 対策の意識が高まったと思います。その後、皮膚・排泄ケア認定看護師が協働し、15 種類の機器に関するMDRPU 対策手順を作成しました。また、院内全体に周知する為に、看護部だけではなく医療の質・安全推進室や診療部会に協力を得て、イントラネットにMDRPU 対策手順を掲載したり、MDRPU に関するトピックを褥瘡予防通信に掲載し、全病棟に配布しました。MDRPU 発生時には各部署でカンファレンスを開催して事例を振り返るとともに、セーフプロデューサー(医療インシデントレポートシステム)に入力し医療安全管理者とともに機器自体の問題や適正使用について検討しています。さらに、褥瘡リンクナースが中心となり、各部署のドレッシング材、粘着テープ、スキンケア用品を調査し、院内で使用する物品を統一しました。このような教育、実践、環境の整備をとおしてMDRPU の予防対策は徐々に浸透してきました。これには褥瘡リンクナース達の貢献が非常に大きかったと感じています。

[ MDRPU 予防対策の実施内容]
● データ収集・分析
● 褥瘡リンクナース会での勉強会とグループワーキング
● MDRPU 対策手順の作成(イントラネット掲載)
● MDRPU に関するトピックを褥瘡予防通信に掲載
● ドレッシング材、粘着テープ、スキンケア用品の院内統一

[ MDRPU 発生時の対応]
① 褥瘡発生報告書・計画立案(創状態の評価はDESIGN-R®使用)
② 各部署でのカンファレンス
③ 褥瘡管理者とともに対策検討
④ セーフプロデューサー入力

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―3年間かけて取り組まれ、MDRPUの推移に変化はありましたか?

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  • MDRPU 発生件数は、5 年前の約半数に減少しました(図5)。発生時の創の深さは、d1(持続する発赤)、d2(真皮までの損傷)の浅い創傷が92% を占めており、早期に発見できていると推察されます。MDRPU 対策の推進には時間を要しましたが、このような結果が出ると看護スタッフのモチベーションはあがると思います。なによりも、患者さんの苦痛を回避・軽減することが第一です。MDRPU の対策には、医師をはじめ多職種の協働が必要不可欠です。MDRPU 対策に関する意識が向上した事で、 医療関連機器を装着する前にアセスメントし、対策を実践できるようになってきたと思います。

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―対策を行う患者のアセスメントはどのように行っていますか?また、看護師に対しての教育はどのように行っていますか?

MDRPU の対策を行う対象は、医療関連機器を装着するすべての患者さんです。特別なアセスメントツールなどは使用していません。患者さんの状況を個別にアセスメントし院内のMDRPU 対策手順を参考にしながら現場で対応しています。とはいえ、患者さんの病状や皮膚状態は多様で変化もします。そのため機器装着中のアセスメントも重要です。日々の実践では「あれ?」と感じたり気づいたことがあれば、まずスタッフ間で共有し、対策を検討することに重点をおいています。看護師から医師にMDRPU の発生リスクを報告し、機器の位置調整、サイズ、種類変更、入れ替え、継続使用について検討することもあります。MDRPU の対策は、看護師だけではなく医療チーム全体の意識を高めること、器具の適正な選択と使用、器具装着中の観察とケアが不可欠だと思います。

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適切な除圧

―具体的な対策を教えてください。

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  • <末梢静脈留置カテーテル>

    MDRPUの好発部位は、前腕と下腿でカテーテルの硬い接続部分(留置針とエクステンションチューブを接続するハブ、エクステンションチューブに付属するクランプ、三方活栓など)です。多くはd1(持続する発赤)で発見されますが、まれにd2(真皮までの損傷)に至るケースもあります。当院では、カテーテル留置後に硬い接続部分が接触する皮膚に3M™ マイクロフォーム™ サージカルテープを貼付します。浮腫や紫斑などがある脆弱な皮膚の場合は、皮膚被膜剤や粘着剥離剤を併用しています。またルートは必ずΩ固定にし、毎日可能な範囲でスキントラブルの有無を観察しています。3M™ マイクロフォーム™ サージカルテープは通常のテープに比べて厚みとクッション性があるので、カテーテルの硬い接続部分が接触する皮膚を保護するのに役立っています。通常は末梢静脈留置カテーテルを抜去するまで貼付していますが、テープによるスキントラブルの発生はほとんどありません。ドレッシング材や皮膚保護材はコスト面、シリコン性粘着製品は機器固定の安全性について考慮したうえで使用する必要があると思います。

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  • <経鼻チューブ>

    当初は鼻翼のMDRPUが散見されていましたが、MDRPU対策としてテープの切り方を工夫し、固定部位を鼻翼から鼻下に変更しました。また、1日1回はテープを貼り換えて清拭と観察を行う方法に変更しました。その結果、MDRPUの発生が減少しました。また鼻下固定に変更したことで患者さんからは「わずらわしさがなくなった」「痛みがなくすっきりした」という声も聞かれました。ただし鼻汁が多い、テープ貼付部位の創傷がある、貼付面積が狭い、チューブが太くテープが剥がれやすい場合などは、必ずしもこの方法が良いとは限りません。手順どおりに行うのが難しいケースもあるので、常に患者さんの状態をアセスメントし、個々に見合った適切な対策・工夫を加えていくことも重要です。

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収録:2016年5月 北里大学病院にて

一施設の事例であり、3M™ マイクロフォーム™ サージカルテープの使用によりMDRPUやスキントラブルが起きないことを保証するものではありません。
3M、マイクロフォームは3M社の商標です。



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