3Mでは、皆さんと同じように光学で何ができるかということに好奇心を持ち、アイデアを実現するために絶え間ない努力を続けています。当社では常に、当社が持つ光学の専門知識を活用できる新しい光学フィルムの用途を探究し、可能性の限界を押し広げてくれる新しい最先端技術を創造しています。
車載用ヘッドアップディスプレイ(HUD)やコンシューマ向けの拡張現実/バーチャルリアリティ(AR/VR)ヘッドセット、健康監視など、さまざまな業界や新たな用途に光学の専門知識を応用しています。
しかしそれは、当社だけでは実現できません。当社の取り組みを推進してくれるのは皆さんと皆さんのニーズであり、皆さんがいなければ、当社の最新テクノロジーは目的もなく、ただ存在するだけのものになってしまうからです。すぐにコラボレーションを始め、光学材料のニーズと将来のビジョンについて話し合いましょう。
当社は、独自の光学技術で偏光をコントロールすることにより、車載用ヘッドアップディスプレイの進化に大きく貢献しております。
How?
従来のフロントガラスでは、ヘッドアップディスプレイから出るS偏光を補正するウェッジオプティック設計が採用されています。ただ、この方法の場合、製造が難しいだけでなく、ドライバーの位置が上下してしまうと、映像がぼやけてしまう可能性があります。この課題を改善する為、当社はP偏光のみを反射することが可能なフィルム、3M™ Windshield Combiner Filmを開発しました。 その結果、この技術により、どの角度から見てもはっきりとした映像を映し出すことが可能となります。
この1つのフィルムを使用するだけで、より良い利便性、エンターテイメント、安全機能をドライバーに提供することができます。
バーチャルリアリティは、私たちを新しい世界へと導いてくれます。そしてバーチャルリアリティ業界の目標は、その世界を可能な限り躍動感のあるリアルなものにすることです。そのためには、高解像度、高コントラストな画像を実現するディスプレイや光学系が必要です。
ヘッドセットの設計は、薄型が主流です。従来のバーチャルリアリティヘッドセットは、ディスプレイと拡大光学系を組み合わせたものでした。従来の光学系では、光路、つまりディスプレイと光学系、および光学系と目の間の距離が長くなり、ディスプレイが大きくて扱いにくくなる原因となっていました。
そして3Mの取り組みにより、大きくて不格好な低解像度のヘッドセットの時代は終わったのです。3M™ Image Quality Polarizersを使用した光路の短縮により、ヘッドセットコンポーネントのメーカーは、解像度を向上しながらフォームファクターを大幅に削減することができます。つまり、3Mはバーチャルリアリティデバイスの設計に革命を起こし、薄型で高解像度なデバイスの実現を支援したのです。
デジタル画像で現実を補完する拡張現実においても、同様に難しい課題が存在します。それは、明るく鮮明な画像を、軽量でメガネのようなフォームファクターで実現することです。当社では現在、性能と効率の両方を向上させ、大量導入が可能な製造プロセスを用いた拡張現実用材料の開発を行っています。
コンシューマ向けVRソリューションやARソリューションの可能性は無限大です。家庭での過ごし方や通勤方法から、人との交流、娯楽、他者との協業まで、インターネットと人工知能の力で瞬時に補われる世界が広がります。
現在使われているセンサーの多くは、対象範囲が狭い面積に限定されています。3Mでは、さまざまな用途に新しい機能をもたらす大面積のセンシング/イメージングを実現できる可能性を探っています。
たとえば、スマートフォンのディスプレイ全体を指紋センサーにすることで、多指認証によってセキュリティを向上したり、別画面でログインすることなくアプリのロック解除を迅速に実行したりできます。また、1つのセンサーで広範囲をセンシングできれば、薄くて柔軟なウェアラブルデバイスが実現します。
課題は、デバイスに対応するフォームファクターで、コスト効果の高い方法で効率的に光路を管理することです。
現在開発中の最新の光学ディスプレイフィルムは、ディスプレイ輝度を高め、必要とされる厚みや性能を実現し、世界中にエキサイティングな新しい可能性をもたらすことを目的としています。
大面積のセンシング/イメージングが最も大きな影響を与えるのは、どのような場所でしょうか。
3Mの光を制御する技術は、ディスプレイや光学センサーシステムにおける光の挙動を最適化することで、家電製品に革命をもたらしました。光の波長、偏光、角度を制御する主要な機能とオプティカルボンディングを駆使して、デバイスの薄型化、電力効率の向上、明るさの向上を実現し、ディスプレイを通じた顔や指紋の撮影といった新機能を可能にしています。
そして今、同様のメリットをヘルスケア用途にもたらそうとしています。たとえば、SN比や精度、フォームファクター、消費電力、測定時間、周波数など、システムレベルの要素を最適化することが挙げられ、そのすべてが光学センサーの性能を向上させ、これまでにない方法での健康状態の診断やモニタリングの実現を目的としています。
3Mは、光学技術とレプリケーション技術において豊かな歴史を有しています。当社は、そこで培った能力を活用して、さまざまなスケールサイズの光学構造および物理構造を生成し、光制御フィルムなどの幅広い用途に応用してきました。そして現在、その技術をさらに進化させようとしています。
光制御の次なるフロンティア
時には、小さなことも考えなければなりません。3Mはマイクロスケールからナノスケールへと移行し、ナノスケールの光学センサー構造を開発して、光学メタサーフェスを実現しました。
メタサーフェスとは
光学メタサーフェスはメタマテリアルの一種であり、「メタ原子」と呼ばれるサブ波長散乱体の2次元アレイです。このようなアレイの個々の大きさと向きを制御することで、光の位相、振幅、偏光を制御することができます。その結果、さまざまな光学用途で性能を向上させる、新しい光学的機能を実現することができます。
光メタサーフェスを実現す
当社では、スケーラブルな(ウェーハやパネルのサイズに制約されない)ロールツーロールのナノパターニングプロセスを開発しています。この分野のトップクラスの研究者と協力して、この技術のデモンストレーションを行い、業界をリードする企業とともに、ディスプレイや光学センサーなどの光学用途においてライトマネジメントソリューションがどのような意味を持つのか理解することに努めました。
お客様の光学フィルム用途は、この機能のメリットを享受できるでしょうか。お客さま固有の光学材料の課題に、当社とともに取り組みましょう
お客様が現在取り組んでいること、あるいはこれから取り組もうと考えていることの内容にかかわらず、当社の技術専門家が可能性を実現につなげるお手伝いをいたします。