コーポレート本部 経営企画部の牧野 陽一さん(以下:牧野さん)は、2016年から今まで、働き方改革プロジェクトに携わってきました。そこではトライ・アンド・エラーで様々な施策に取り組み続けています。牧野さんと同じ経営企画部に所属している小川 陽二郎さん(以下:小川さん)も、働き方改革プロジェクトのメンバーとして活動していますが、スリーエム ジャパン (以下3M)の製品を導入する際にも、ポータル推進部の中村さんと二人で製品の選定などを担っていました。
(左から:コニカミノルタジャパン株式会社 コーポレート本部 経営企画部 牧野 陽一さん、営業推進統括部ポータル推進部 中村 睦朗さん、森山 麻衣さん、コーポレート本部 経営企画部 小川 陽二郎さん)
コニカミノルタジャパン株式会社では、2013年から「働き方変革プロジェクト」を発足しスタートさせています。これには大まかに2つの要因がありました。1つは、本社のあるビルの形状にありました。当時、本社のオフィスが日本橋にあったのですが、そのビルがペンシル型のビルで、1フロアに1部署が配置されているような状態で、組織間のコミュニケーションやコラボレーションが物理的にも発生しにくい状況になっていました。
もう1つは複合機を主力とするコニカミノルタジャパン株式会社では、オフィスのIT化とペーパーレス化が進み、これまでのビジネスモデルを進化させる必要があった。そのため、働き方変革を業務効率化や生産性向上のみならず、新たなビジネスモデル創出のための自社実践とする意味合いもあったのです。加えて、離職率や生産労働人口が減っていくという社会的背景・課題などへ対応しなければならないということもあります。オフィスの移転を機に「働き方変革プロジェクト」が発足したのです。
コニカミノルタジャパン株式会社は、2014年の夏には本社を浜松町に移転しています。このプロジェクトは移転にともなって、様々な環境などを整備・進行していく役割も担っています。IT系の社内環境はもともとベースが出来上がっていて整備されている状態だったので、2015年からは、例えば営業職であれば直行・直帰を認めるであるとか、ある組織にはフレックスタイム制を導入するなど、働き方の選択肢を増やし始めます。
2015年に同時に取り組み始めていたのが、本社を始めとして、7都市圏の支社や事務所、主要なサービスステーションなどが、保管している文書をゼロにしようという取り組みです。どういった紙の文書を保管し、仕分けをしているのかを調べながら削減していきます。調べる際にプロジェクトの人間がやって来て、いきなり「引き出し を開けてください。」と言われるわけですから、当然現場の疑問や反感などが出てきます。そこは丁寧に対応し取り組んでいくことで、2016年には「紙に縛られない働き方」、電子ワークフローシステムに繋がっていきます。この取り組みによって、現在のコロナ禍でのテレワーク環境においても「はんこを紙に押すために出社する。」というようなことが、相当数抑えられていることは言うまでもなく、重要な取り組みであったのではないでしょうか。
当時、大手ソフトウェア会社に牧野さんの知り合いがおり、大手ソフトウェア会社でテレワーク週間を行うと聞き、コニカミノルタジャパンも試験的に、ソリューションを実行するセクションを中心にテレワークをやってみることにしたのです。それは大手ソフトウェア会社がその時に作った、外部の人が使っても良いテレワーク用オフィス環境で仕事をしてみるというものでした。結果としてテレワークは、上手く出来なかったのです。牧野さんとしては、これで上手くいくと考えていたわけではなく、出来る人と、出来ない人が出てくるはずなので「なぜ出来ないのか」という点を検証したかったのです。
電車が止まったとか、地震が来たなど様々なリスクを想定した時に、テレワークによって業務を継続できるかどうかは、企業にとっては死活問題ともなりうる課題です。そこで牧野さんは、当時の社長や人事にも相談し、夏場に全社で40日間ぐらいのテレワークトライアルを行うことにしたのです。行うに当たっては、様々なセクションやスキルの社員がいるので、事前に全従業員に対して「このようなインフラを整備したら使えますか?」という投げかけを行い、素直に答えてもらうようにしました。実際に全社でのトライアルで出てきた「出来なかったこと」を課題とし、それをクリアしていくことで、2017年の2月からは、会社として全社員が対象の、本格的なテレワークの運用を開始しています。
テレワークの運用ルールに関しては、コニカミノルタグループ全体としてリモートワーク規定という基本的なルールはありますが、現場に柔軟に対応するという点で、細かな部分は現場管理職の判断で運用できるようになっています。例えば週1日のテレワークを行うにあたって1週間前にそれを申請するなどの規定があったりしますが、そのような部分には「原則」という言葉を用いています。電車が止まってしまった場合の対応など、急に判断しなければならない時は、ちゃんと現場でコミュニケ ーションをとって対応してもらったほうが良いという考え方なのです。
実際当初は、首都圏と各地の環境や意識の隔たりによるテレワーク実施率の差や、テレワークに対する抵抗感を持つ人達や組織が存在していたことも事実です。しかしながら、近年突発的な豪雨や台風、大雪などの悪天候に見舞われる事態が増えております。電車が止まって出社できない事態や、どうしても出社しなければならないという状況は往々にしてあることです。そうした時に同じ結果を生み出せるテレワークで仕事ができるという大きなメリットを感じる社員が、年を追うごとに増えていきました。
普段ECサイトを運営している中村さんはこう語ります。
「我々のセクションには、埼玉県や千葉県在住のメンバーが多数います。大雪でJRが全線止まってしまい、彼らが出社できなくなってしまった時には、テレワークのおかげですごく助かりました。関東でおきた出来事であっても、運営しているのは、全国を対象にしたECサイトです。そのため、全国に迷惑が掛かる恐れもあるわけです。非常時にどう対応できるのかを考えると、早めに取り組んでいて良かったです。」
「働き方改革プロジェクト」が取り組む課題の中に、生産労働人口が減っていくという社会的背景・課題などへの対応があります。これらの課題へ対応することによって、まず従業員満足度の向上があります。その背景には会社が成長していくために欠かせない顧客満足度の向上が存在します。顧客満足度の向上は利益の源泉ですが、やはり働く従業員の満足度も高くないと、顧客満足度の向上は実現できないということです。また従業員満足度の向上は、同時に優秀な人材の確保と、離職率の低下にも繋がります。一昔前の世の中では、子育てや介護などで仕事を諦める人々がいるという問題が、たびたび話題になっていましたが、優秀な人材を確保し、離職しないようにするために、子育てや介護など様々な働き方にも対応できる環境や施策を整備しているのです。テレワークが出来る環境というのも、事業継続性の確保と同時に働き方の一つです。
普段ECサイトを運営している森山さんもこのように言っています。「場所を選ばずに働くこ とができる環境なので、その面では女性としても長くこの会社で働いていけるのかなってい う想像がつきやすいです。産休中の先輩も多くいますし、ライフイベントがあっても、仕事を続けていくための選択 肢が複数あるっていうところはすごく魅力的だなと感じます。」実際、人事部とも情報共有していて、この「働き方改革プロジェクト」によって離職率は減っています。中村さんのセクションに所属している女性の中にはご結婚されて、所属は東京本社ですが九州でそのまま仕事を継続している、いわゆるサテライト勤務の社員もいるそうです。
テレワークで社員が持ち出すモバイルPCに関しては、例えば、カフェなどで仕事をする際には、画面を覗き見されないように従来は壁に近い場所で壁側に背を向けるように座って仕事をしてもらう、出張時の新幹線でも座る座席を選んでもらうなど、物理的に覗き見されないようにと、それを自分たちの運用でカバーしていました。しかしながら、こうした運用では情報漏洩を防ぐ対策にはならないとの判断から、3Mの「プライバシーフィルター」の導入に踏み切ったのです。
もともとECサイトでも商品の仕入れを行っている中村さん。流通各社からフィルタ ーのサンプルを取り寄せ、価格や性能など検討を重ねていくのですが、やはり直接メ ーカーと話ができるのが一番だと判断し、もともとご縁があった3Mにプライバシーフィルターを提案してもらったそうです。
こうしたフィルターはモニターの横から見えないのは当たり前なのですが、正面から見た時に、他社の製品と比較して3Mプライバシーフィルターは一番見やすかったそうです。表計算ソフトの細かい表などを見ても、小さい文字が潰れたように見えたり、画面が濁って見えることが無くクリアに見えたそうです。
●3Mのアドバンスドマイクロルーバー技術により、PCを斜め横から見ると画面が暗くなり、他の角度からは見えにくくなり、情報がガードできます。
その中で、やはり組織のコミュニケーションや、社員とのエンゲージメントをどうや って維持・向上させるか、テレワークにおける心理的安全性をどうやって担保しようかなど、より一層「人を考えた」高次元の課題が見えているようです。例えば、テレワークにおける心理的安全性という観点での取り組みは、人事部から各セクションの管理職に対して、スタッフとフェイス・トゥ・フェイスでざっくばらんな会話をする場を設けてもらうようにするなどの活動です。「働き方改革プロジェクト」は終わることなくまだまだ続きます。
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