道路管理者にとって、ドライバーの安全は最優先事項です。ドライバーは、昼夜を問わず、あらゆる気象条件下で安全に道路を走行できるように、信頼性の高い車線誘導を必要としています。高齢ドライバーや先進運転支援システム(ADAS)を搭載した車両の場合は特に重要です。
道路に貼り付ける路面標示材の仕様を作成することは、安全を提供するうえで大切な要素です。道路の仕様を作成する際に考慮すべき要素を紹介します。
路面標示材の再帰反射レベルと性能を指定することは、夜間や事故多発区域での路面標示材の性能を確保するために不可欠です。
一般的に路面標示は、通常の日中の天候条件下では、道路を走行するドライバーにはっきりと見えます。しかし、日が沈んで夜が来ると、ドライバーが路面標示を確認し、離れたところにある車線を認識するには、路面標示材の再帰反射性に頼ることになります。1
路面標示材の仕様が検討されている場所が、事故多発区域(事故の発生率が高いより複雑な道路)や視力に問題のある高齢者に利用される道路の場合、路面標示材の仕様で必要な明るさを増加させると、信頼性の高い車線誘導を常に提供できるようになり、事故が減少します。2,3 これは、路面標示材が明るいほどドライバーが対応するまでの時間が長くなり、高速で走行しているドライバーでも、車道の変化に基づいて容易に反応でき、運転を調整できるためです。4
夜間、雨天時の運転では、路面標示はドライバーの視界から消え、危険な状況を作り出す可能性があります。1
最近の研究によると、全天候型面標示材は、夜間雨天時の事故発生率を32%、夜間雨天時の死亡事故発生率を49%を減少させる効果的な対策であることが示されています。5,6、路面標示材の仕様を作成する際には、湿潤時再帰反射性能を考慮してください。これらの性能レベルは、次の2つのASTM方法でテストできます。
• E2832-12(湿潤連続法):湿潤装置を使って測定中に測定領域を継続的に濡らします。
• E2177-19(湿潤回復法):測定領域が濡れてから45秒後に測定されます。7
路面標示材の耐久性を確認することで、想定よりも早く費用のかかる修理や交換を行う事態を減らせます。路面標示材を仕様化するときは、特定の交通パターンと天候によって引き起こされる摩耗を考慮に入れてください。
柔らかいガラスビーズは砂によって削られ、その結果、表面が曇り、光学素子の性能が低下します。ガラスビーズだけを用いた標示材よりも、丈夫で耐久性のある微結晶セラミックビーズを使用した路面標示材を選択しましょう。
事業全体に3Mテクノロジープラットフォームを活用し、道路環境の安全性を向上させる製品を開発しています。路面標示材への3Mのアプローチによって、お客様は最高の技術を手にすることができます。当社は、世界中の施設とサポートにより、80年以上にわたって交通安全のイノベーションを提供しています。
私たちは、3M™ ステイマーク™ 全天候型貼付式路面標示材と3M™ 全天候型反射エレメントを活用して、路面標示材ソリューションの実証実験や施工を積極的にサポートしています。また、路面標示材の仕様について世界中の交通機関と協力しています。
1 3Mのブログ:雨が降ると、夜の路面標示には何が起きるでしょうか?
2 Carlson等著(2015年1月)Nighttime Safety and Pavement Marking Retroreflectivity on Two-Lane Highways:Revisited with North Carolina Data.Crash Modification Factors Clearinghouse。http://cmfclearinghouse.org/study_detail.cfm?stid=409. http://cmfclearinghouse.org/study_detail.cfm?stid=409. (2021年9月16日検索)(English)
3 FHWA(2005年12月)Enhanced Night Visibility Series, Volume VIII:Phase II—Study 6:Detection of Pavement Markings During Nighttime Driving in Clear Weather.https://www.fhwa.dot.gov/publications/research/safety/humanfac/04139/index.cfm. (2021年9月16日参照)(English)
4 MN運輸省2020年3月、Pavement Markings—Wet Retroreflectivity Standards.(路面標示材—湿潤時再帰反射性の基準)Adam Pike テキサスA&M交通研究所 主任研究者 http://www.dot.state.mn.us/research/reports/2020/202009.pdf (PDF、5.03 MB). (2021年9月16日参照)(English)
5 FHWA(2015年12月)Safety Evaluation of Wet-Reflective Pavement Markings.(全天候型路面標示材の安全性評価) https://www.fhwa.dot.gov/publications/research/safety/15083/index.cfm. (2021年9月16日参照)(English)
6Park等著(2019年1月)湿潤時反射性能を有する全天候型路面標示材の効果、Crash Modification Factors Clearinghouse
http://cmfclearinghouse.org/study_detail.cfm?stid=567. (2021年9月16日参照)(English)
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