歯科医療従事者の皆様を対象とした 3M オンラインセミナーの動画を、オンデマンド視聴いただけます。
ぜひこの機会にお申込みください。
ブラケットの接着
-材料科学を基盤とした臨床のテクニック-
ブラケットのボンディングは基本的な処置ではありますが、予想外の脱離が生じると
治療効率に大きく影響します。
また、ブラケットのディボンディング時のエナメル質の損傷や、その後に生じるエナ
メル質表面の着色などの問題は、矯正歯科医自身が気づいていない場合もあります。
本講演では、セルフエッチングシステムによるブラケットのボンディングの利点・欠点に
ついて議論するとともに、治療中のブラケットの脱離やディボンディングによるエナメル質の
損傷を低減するための知識の習得を目指します。講演の最後には、接着材つきブラケット
システムによるブラケット接着の特徴をご紹介いたします。
矯正診療の本質を見極める
-効率化の先に目指すべきもの-
近年、 アライナー型矯正装置を用いた矯正歯科治療(以下、 アライナー矯正と略す)の台頭に始まったデジタル化の波は、矯正歯科の臨床現場を大きく変化させようとしています。特にアライナー矯正に関してはメーカーやコンサルティング会社等の主導により、 簡単導入、 経営の効率化などの触れ込みで、安易に手を付けてしまう歯科医師も少なくないのが現状です。 そのような時代の中で、 矯正歯科を専門に治療する歯科医師として、もう一度「矯正臨床の本質を見極めたい」という自身のへの戒めを含めて今回のテーマを掲げさせていただきました。
私の考える「矯正臨床の本質」とは言うまでもなく、診断学に始まる確立された臨床体系であり、 どのような流派や術者、術式であっても不正咬合患者の治療ゴールは基本的に大きくブレるものではないと考えています。
ではなぜ、我々がデジタルを取り入れ、アライナー矯正を取り入れるのでしょうか?それは、診療の効率化を図り、その余った時間を更なる治療の質の向上に労力を向かわせるためであり、前述したような安易な目的ではないものと考えています。
しかし、現時点では質の高い矯正臨床を実現するためには、まだまだワイヤー矯正から離れることはできないのはいうまでもなく、その診療効率を高める工夫はまだまだ終わりとは言えません。
本講演では、私の考える矯正歯科のデジタル化を交えながら、効率的な矯正臨床について皆さんと考えていきたいと思っています。