<聴力低下が起きたら?>
私たちは、音楽、自然の音、そして普段は当たり前と思っている周囲のありふれた音を聞く力を保ちたいと思っているはずです。家族や恋人、友人たちとの会話、孫の話を聞くために、聴力の保護は大切なものです。
そして、もう1つの理由は、車の接近や差し迫った危険を知らせる音が聞こえないことによる職場内外の事故を回避することです。
聴力障害に伴って(特に晩年に)起こることの多い、社会的孤立、孤独、および憂鬱を回避することも重要な理由の一つです。
<騒音性難聴とは?>
騒音の危険は他の多くの安全衛生上の危険よりも安易に扱われています。その理由として騒音性難聴は目に見えず、耳から出血するわけでも、病気に冒されているように見えるわけでもないからです。難聴は知らない間に進行します。勤務時間の終わりに一時的に聴力が鈍ったことに気付く人もいますが、聴力は約16時間程度休息すれば多くの場合改善します。
しかし、これが毎日続くと騒音性難聴になることは、まだ多くの方の間では理解されていません。
騒音性難聴は、騒音レベルが85dBを超える職場で長年働いていると徐々に”蝸牛”のなかにある”有毛細胞が消耗”し、音が感じにくくなる疾病です。 騒音性難聴の初期段階では4000Hz付近の高周波領域の聴力だけが低下し、会話領域である500~2000Hzでは大きな支障とはなりません。このため、騒音性難聴の初期段階ではほとんど自覚症状がありませんが、さらに 障害が進行し、高周波領域とともに中・低周波領域にまで影響がでてくると、日常の会話にも支障をきたすことになり、初めて難聴に気がつきます。
騒音性難聴は、治療により元の状態までの回復は期待できません。現代の医学では、有効な治療方法が確立していないのが現状です。騒音性難聴から身を守るためには、日頃の予防対策が大切なのです。
<サポートツール>
3M™ E-A-Rfit™ 聴覚保護具 遮音性能測定器
簡単操作で聴覚保護具の遮音効果を可視化できるツールがあります。