読み取り時間: 3 mins 41 secs
Default HTML
透明な5Gアンテナが求められている理由は何でしょうか。ここ数年、ネットワーク事業者は拡大する使用容量をサポートするためにネットワークの高密度化を進めています。FCC(米国通信委員会)が多数の新規周波数帯を開放しており、5Gのネットワークに対応するため、アンテナはさらに増え、大型化すると予想されます。データの利用はますます増加傾向をみせていますが、データ送受信の80%は屋内空間で行われると言われており、今後、5G通信インフラコンポーネントとして多くの屋内アンテナが必要です。
また、屋内アンテナの普及においては景観・美観への配慮したデザインも重視されるようになりつつあります。多くの施設やオフィスでは、アンテナやその他のネットワークインフラストラクチャの景観・美観要件がますます厳しくなっています。
アンテナ用途向け3M™ 透明導電性フィルムを使えば、薄く軽く透明なアンテナのデザインを実現できるため、設置したアンテナを目立たなくできます。ネットワーク事業者は、この透明アンテナフィルムにより、従来のアンテナと同じ性能要件を達成できます。
透明で導電性を有する薄いフィルムを実現するテクノロジーはいくつかあります。ただし、このほとんどは5Gアンテナ用途には適していません。代替材料の主な特徴を分析したところ、アンテナ用途では利用可能な材料の中で金属メッシュが最も優れた性能を発揮することがわかりました。選択基準となった主な特性は、低いシート抵抗、高電力・高利得、優れたPIM性能でした。
また、金属メッシュの一般的な表面粗さは100ナノメートル(nm)単位です。これは6 GHzの表皮効果(Cuで0.85 mm)よりも大幅に小さい値となるため、サブ6 GHz帯で表面粗さが実効RF低効率を大幅に高めることはありません。さらにこれは28または39 GHz(それぞれ0.4 mmと0.33)での表皮効果よりも小さいため、3Mはまだミリ波アンテナは製造していませんが、ミリ波用途に最適化された同様の導電膜が3Mの製品開発ロードマップに含まれています。3Mでは、高導電性の金属メッシュ材料を使用して高効率、高利得のアンテナを実現します。お客様はこの透明導電性フィルムを使用することで、他の透明導電膜テクノロジーよりも高い効率と利得を実現できます。
3Mでは更に金属メッシュ層の表面処理を行うことで酸化防止による環境耐性を付加しており反射光の抑制も行っています。
また、3Mでは3M™ 透明導電性フィルムを使用されたアンテナのPIM発生源や局所的な発熱箇所の調査が可能であり、それらの知見からベタ銅膜を使用するアンテナ同等の性能実現をサポートします。
高い透明性:80%超の開放部
高効率:0.1 Ω/sq未満のシート抵抗
高柔軟性:曲面への設置といった従来であれば困難な用途への展開
高出力:出力最大50Wを実証
3Mの透明導電性フィルムを使用すれば、高電力・高利得な目立たないアンテナ設計が可能です。これにより、景観上設置できないと考えられていた場所に5Gアンテナを普及させることが可能になるため、ネットワークサービス事業者はネットワーク配備をスピードアップし、建物内、建物外の受信範囲を拡大することができます。
屋内用途では、このようなアンテナには景観上のメリットがあります。屋外用途では、スポットライトや街灯のレンズカバー内にアンテナを設置できます。
お客様は、3M™ 透明導電性フィルム上に形成された、シートまたは(将来的に)ロール形状のカスタムアンテナパターンを購入いただけます。詳細についてはお問い合わせください。
5Gインフラのニーズ、普及、高密度化により、アンテナの設置は大幅に増加することが見込まれます。マルチGbpsの最大速度とより多くの容量を求める、より高速なデータ転送速度に対する需要は高まっており、1平方キロメートルあたりのIoT機器やその他の機器は大幅に増加しています。
オフィスや小売店舗、高層ビル、医療施設、建築現場など、一部の施設では屋内、屋外無線用の目立たないアンテナが非常に役立ちます。3M™ 透明導電性フィルムを使用することで、アンテナメーカーやシステムインテグレーターは、高利得、低PIMの目立たないアンテナシステムを求めるニーズに対応できます。
ここに記載されている内容や最新情報をご覧いただくには、3Mのニュースレターにご登録ください。