3Mは粘着剤の技術を応用した製品開発を得意としていますが、実は「引っ掛けてくっつける」技術も持っているのをご存知ですか?
そのひとつが、「3M™ メカニカルファスナー」です。
“ファスナー”と言っても金属ではなく、薄いシート状のフィルムで、性質の異なる2種類のシートの、面と面を合わせることで接着させることが可能な“面ファスナー”です。日常の中で、剥がすと「ぺりっ」という音がするものがあれば、それは3Mのメカニカルファスナーかもしれません。
たとえば、ダウンジャケット等の衣類のポケットやバッグの蓋開閉部分、椅子やソファーのカバー・シート等の布地の固定など、メカニカルファスナーは繰り返しくっつけたりはずしたりすることが得意です。
介護の現場でも、器具やパッド等の固定や、サポーター、衛生材料などに展開されています。
メカニカルファスナーは非常に薄く、装着した部分の段差を気にすることなく使用できるため、建築・建材の施工でも広く使用されています。
この構造の「引っ掛けてくっつける」ことのできる製品は、メカニカルファスナーの他にもあります。
飛行機等の座席カバーの固定や、展示会のパネル・カタログケースなどの取り付け、プラスチック段ボールの組み立てなど、比較的軽量物の固定を得意とする「3M™ スコッチメイト™ ファスナー」。
パーテーションの取り付けや、点検口等取り外しが必要なカバーの固定、新幹線の座席や内装パネルの固定など、強固に固定しつつも必要なときに着脱できる「3M™ デュアルロック™ ファスナー」。3M™ デュアルロック™ ファスナーには、“フック&フック”の組み合わせでかみ合うような構造のものもあります。
どれも繰り返し貼ったり剥がしたりできる点が、どこか付箋に似ていますね。
メカニカルファスナーを医療用製品に展開して製品開発を行ったのが、「3M™ マスクにくっつくアイガード」です。フィルム下部の白い部分に、微細なマッシュルーム状のフック構造が形成されており、サージカルマスク(不織布)がループの役割をすることで、絡みついてワンタッチでパッとくっつきます。医療従事者の皆様が、マスクや手袋のような手軽さで眼もしっかり守れるようにという思いで開発されました。
5万5,000種類を超える3Mの製品群。その圧倒的な製品開発力を支えているのが、「テクノロジープラットフォーム」と呼ぶ、汎用性の高い46の技術基盤です。
今回ご紹介したテクノロジーは、「メカニカルファスナー」です。微細なマッシュルーム状のフックと、輪になったループとがかみ合うことでくっつき、着脱も可能にします。
マスクへの装着部分(白い部分)に3M™ メカニカルファスナーを採用しました。マスクに圧着するだけでパッとくっつき、着脱が自在にできます。
装着時にフィルムが曇りにくい曇り止め加工を施しており、クリアな視野でつけ心地が快適です。もしギラつきが気になって角度を変えたい場合や位置を調整したい場合は、つけ直しができます。
眼鏡の上からでも装着でき、使用後はマスクと一緒にそのまま廃棄するだけ。管理も簡単な新しい眼の防護具です。