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自動車のシャシーとパワートレインの設計に3M™ フリクションシムを使用することで、最大荷重における静摩擦係数が最大で5倍になり、性能と信頼性の向上を図ることができると同時に、設計に高い自由度が得られます。
3Mは、自動車産業での長年の経験を活かし、世界規模で工業用セラミックスの開発に取り組んでいます。3M™ フリクションシムは、徹底的な社内検証を経て開発されており、超薄型でかつ再現性に優れ、また精密な設計要件に合わせた高度なカスタマイズに対応可能です。
ウェビナーオンデマンド
講演者: 元田和臣
アプリケーションエンジニアリングスペシャリスト
化学製品技術部, スリーエムジャパンイノベーション株式会社
車両シャシーと車軸の設計に3M™ フリクションシムを採用することにより、ボルト固定部接続とフリクションシャフト接続での運動を制御し、高荷重を管理することができます。多彩な異種素材合わせ面で機能するさまざまなグレードのフリクションシムが用意され、接合の強度向上および大型部品と最先端部材の重量管理に効果を発揮します。シャシーが安定することによってNVHも低減できるため、乗員の快適性が向上します。
大型で最先端のEVバッテリーには、重量を増加させずに応力に耐えられるシャシーマウントソリューションが不可欠です。3M™ フリクションシムを使用すると、ボルト接合部でこれまでの5倍以上のせん断力に耐えることができるため、重いバッテリーパックの重量を支持するのに効果的です。フリクションシムは、アルミニウム、電着塗装、一般塗装、複合材料などの金属異種合わせ面で良好に機能します。より小型で軽量のボルトと接合を使用できるため、部材のダウンサイジングにも効果があります。
3M™ フリクションシムを使用すると、車両シャシーのフリクションジョイントに高い強度と安定度が得られるため、スケートボードシャーシのようなこれまでにない構成を実現します。
再設計をせずに、バッテリーマウントシステムのボルト接合部を補強することができます。
電動パワートレイン用途においてフリクショントルク伝達を最大化します。電動モーターの能力を最大限に引き出すことができます。3M™ フリクションシムを使用すると、ねじり接合部における摩擦係数を最大で5倍に向上できるため、強力な電動エンジンが生み出す高いトルクを電動パワートレインで効果的に利用できます。
小型エンジンでは、3M™ フリクションシムを使用することで、一定の範囲で部材の点数とサイズを削減することにより、出力密度の維持または向上を図ることができます。限られたパッケージング空間の有効利用が可能です。
再設計をせずに、バッテリーマウントシステムのボルト接合部を補強することができます。
内燃機関自動車とハイブリッド車の出力が向上します。3M™ フリクションシムは、エンジントルクの伝達を最大で5倍まで向上し、これまで以上の出力と効率を持つ内燃機関の設計を実現します。小型エンジンで一定範囲の部材の点数とサイズを削減することにより、出力密度の維持または向上を図ることができます。
3M™ フリクションシムによって設計に高い自由度が得られると、パンケーキモーターの新しくユニークな設計が可能になります。
エンジンからのトルク伝達が向上することにより、コストを要する再設計なしで高い出力が得られます。
ボルト接合部
以下の考察では、自動車用シャシーで使用される様々なボルトで、スリップが発生する原因となる荷重(kN)をモデル化しています。0.02 mm以上の変位が発生した地点をスリップ開始と定義しています。
M10ボルトとそれより大きいM12ボルトを比較すると、大きいボルトでは、小さいボルトの場合よりもわずかに大きい1.4倍の力でスリップが発生しています。一方、小さいボルト固定部に3M™ フリクションシムを使用すると、同じボルトにフリクションシムを使用しない場合と比較して、この値が4.9倍大きくなっています。設計変更をせずに、このボルト固定部でより大きい荷重に耐えられるようになります。
3M™ フリクションシムを使用することで、小型の接合ボルト部においても、大型のボルト以上の耐荷重が得られます。フリクションシムを使用しないM14ボルトでは12.0 kNでスリップが発生していますが、それよりもはるかに小型のM8ボルトにフリクションシムを使用すると、M14ボルトの場合よりも高い19.8 kNでスリップが開始されます。
3M™ フリクションシムは、スチール基材にニッケルをコーティングした部品であり、表面に無数のダイヤモンド粒子が埋め込まれています。接合ボルトの2つの合わせ面の間にフリクションシムを設置して圧力をかけると、表面のダイヤモンド粒子が両合わせ面に「食い込む」ことで微細なマイクロフォームフィットが形成されます。これにより、従来のボルト接続よりも最大で5倍大きい静摩擦係数が得られます。
静摩擦係数は使用される様々な環境によって変化する特性です。この特性は摩擦係数に関わる多数のパラメータによって変化します。これには、合わせ面の材料、表面処理、表面粗さ、面の平坦度、環境条件などがあります。当社の試験では、3M™ フリクションシムを接合部に適用することによって最大で5倍の摩擦係数の向上が確認できています。
3M™ フリクションシムの使用の有無によって摩擦係数に見られる変化を、さまざまな材料に適用した場合について次のグラフに示します。
3M™ フリクションシムは、一般的に使用されているすべての金属で機能します。たとえば、アルミニウム、炭素鋼、ステンレススチール、鋳鉄、チタン、マグネシウムなどがあります。これらの金属の組み合わせに対しても有効です。電着塗装スチールに最適なフリクションシムの特殊グレードも開発済みです。
グラスファイバーや炭素繊維強化樹脂をはじめとするさまざまな非金属合わせ面材料においても効果が期待できます。
タブ付き2Dシム
シムの内周または外周に設けたタブが、合わせ面部品の溝にフィットします。機能上で溝が必要な部材には、低コストで取り付けることができます。
3Dクリップシム
タブがない場合に、シムの内周または外周に設けたクリップを使用して取り付けることができます。3Dクリップシムはシャシーの用途に最適です。
設計段階で予想外のエラーが発生し、これまでコストをかけてきた設計を見直すかどうかの判断を迫られる状況は、誰もが経験していることでしょう。3M™ フリクションシムを使用すれば、コストがかかる再設計をせずにボルト接合部に優れた強度と安定性を実現できます。非常に薄い厚みの3Mフリクションシムであれば、大部分を既存の設計公差範囲で使用できるため摩擦トルクの向上が容易に得られます。これによって期待以上の成果が得られます。
ぜひご自身でお試しください。多彩なサイズとグレードがある3M™ フリクションシムの標準サンプルをご用意しています。お客様の用途に最適なソリューションを当社の技術担当者からご案内いたします。